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いよいよプロムナード・コンサートも山場を迎える。ザ・ラスト・ナイト・オブ・ザ・プロムスを前に、イギリス出身のサー・サイモン・ラトルとサー・コリン・デイヴィスが登場。オケはイギリスを代表するバーミンガム市交響楽団とロンドン交響楽団。それぞれマーラーの「交響曲第5番」とヴェルディの「レクイエム」という大曲が演奏された。ラトルは2002年のベルリン・フィルへの首席指揮者就任の5年前という事になる。デイヴィスは直前の9月5日に亡くなったサー・ゲオルグ・ショルティの代役として登場。ダイアナ妃に引き続き、特別な運命を感じる。
どでかいロイヤル・アルバートホールが音響の渦に巻き込まれる2日間。そんなコンサートを前に、ウェストミンスター大聖堂ではちょっとしたハプニング(?)も(^^)
(写真はヴェルディ:「レクイエム」の演奏直後、聴衆から大喝采をうけるサー・コリン・デイヴィスとロンドン交響楽団を撮影)

(以下、1997年9月記)
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9月10日(水) 17:00 at ウェストミンスター大聖堂
        「Choral Evensong」 
         演奏:ウェストミンスター大聖堂聖歌隊
         入場料:無料

セントポール大聖堂の「Evensong」に参加したので、ウェストミンスター大聖堂でも、という軽い気持ちで参加したのが間違って(?)いた。前の方の席に座っていたため、周りは皆、敬虔なクリスチャンだったのだ。周りにあわせて僕もクリスチャンになりきった。ここの聖歌隊のCDを持っていたので間近で聴けたのはよかった。ボーイソプラノは皆素晴らしかった。

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9月11日(木) 19:30 at ロイヤル・アルバートホール
        「プロムナード・コンサート」
        ・ショスタコーヴィッチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
         ヴァイオリン:マキシム・ヴェンゲローフ
        ・マーラー:交響曲第5番        
         演奏:サー・サイモン・ラトル指揮
             バーミンガム市交響楽団
         入場料:3ポンド

今日も混むだろうと思いながら17:00頃会場に着いたら、既に長蛇の列!もっと早く並ぶべきだった~と思った。開演10分前になってやっと中へ入り、ホッとひと息。イギリス出身のラトルの人気はやはりすごかった。これから期待のかかる指揮界のホープである上に、メインがラトルの得意とするマーラー。23歳のヴェンゲローフのヴァイオリンも熱の入ったもので、アンコールではイギリスの有名な民謡を演奏するなど、ロンドンっ子を沸かせたが、メインのマーラー第5番はやはり息を呑んだ。イメージと違って(?)ラトルの指揮ぶりは紳士的で実に軽やかだった。有名な4楽章はあっさりとしていたが、終楽章の盛り上がり方は感動した。

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9月12日(金) 19:30 at ロイヤル・アルバートホール
        「プロムナード・コンサート」           
        ・ヴェルディ:レクイエム
         演奏:ロンドンVoices&ロンドン交響合唱団etc 
             サー・コリン・デイヴィス指揮
             ロンドン交響楽団
         入場料:3ポンド

プロムナード・コンサートもここで一つの山場を迎える。16:30から並んだのが功を奏して昨日より前の方へ並ぶことができた。他のロンドンっ子と同様、すっかり時間つぶしには慣れて(?)しまった。それにしてもアリーナのチケットのために並ぶ人達は、Tシャツにジーンズなど、普段着だ。会社帰りのサラリーマンから、学校帰りの高校生仲間(?)まで、人々もバラエティーに富んでいる。彼らにとってクラシックもロックも同じなのだろう。こういう気軽な雰囲気がうらやましく、さすがロンドン、そしてヨーロッパ、と感じた。今日の指揮は本来振る予定だったサー・ゲオルグ・ショルティの死去に伴い、サー・コリン・デイヴィスが代役を果たした。ヴェルディの大曲が聴けたのもよかったが、デイヴィスとロンドン響、そしてトランペットセクションもよく眺めることができたのには、いつもながらに感動!このレクイエムはダイアナ妃とショルティに捧げられた。指揮棒が降ろされた後、しばしの沈黙、そしてブラボー(画像はその時のもの)。3ポンドでこれだけの演奏が聴けるなんて、ロンドンのクラシック音楽に対する姿勢は日本も学ぶべきものがあると感じた。

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(続く・・・)