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毎年5月4日はスター・ウォーズの日。特に今年2022年はスター・ウォーズサウンドの生みの親、作曲家ジョン・ウィリアムズが御年90歳を迎えた記念の年でもある。今でこそ、ウィーン・フィルベルリン・フィルのような名門オケもジョン・ウィリアムズの作品を取り上げるようになったが、ふと思ったのは、日本のオーケストラはいつ頃から演目として取り上げるようになったか?という点。

こだクラでは過去に山本直純指揮 NHK交響楽団によるライヴ盤(ジャケット画像:下)をエントリーした事があるが、それは1989年7月の録音(会場:NHKホール)だった。一方、大友直人指揮 日本フィルハーモニー交響楽団によるライヴ盤(ジャケット画像:上)も存在しており、それは1988年1月の録音(会場:サントリーホール)となっている。共通するのは交響組曲としてジョン・ウィリアムズ自身が編曲した3曲(「メイン・テーマ」、「レイア姫のテーマ」、「王座の間とエンドタイトル」が収録されている点。

1988年といえば映画「スター・ウォーズ」公開からほぼ10年が経過。その間、スター・ウォーズの映画音楽が日本でも多くの人々に認知され、日本のオーケストラも取り上げる動きが出てきたのは想像に難くない。また、そのきっかけとなったもう一つの要因として、ジョン・ウィリアムズ&ポストン・ポップスの存在が挙げられるかもしれない。彼らの初来日が1987年12月。既に映画音楽の巨匠として名を馳せていたジョン・ウィリアムズの音楽が日本でも演奏され、多くの聴衆を感動させたことも背景として考えられる。実際、上記の大友直人&日本フィル盤は彼らの初来日1か月後の公演であることや、日本フィルの「名曲コンサート」公演でのプログラミングだけに、どこか関連性があるように思った。

それだけに、冒頭の問いかけに対する一つの答えとしては、1988年1月の日本フィルによる公演がコンサート会場でのスター・ウォーズ演奏(且つ交響組曲としてのプログラミング)だったのではないだろうか、という推測ができる。ちなみに、このライヴ盤、サントリーホールでの収録だけにふくよかな残響に包まれた高音質の録音になっているのが有難い。その後、日本フィルはジョン・ウィリアムズ以外の作品も含め、古今東西の映画音楽を「シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー」として2000年頃からアルバムシリーズ化に着手、日本のオーケストラによる映画音楽が音源を通じていつでも聴けるようになったのは大きな偉業だ。