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ヴェルディ生誕200年記念としてエントリーした歌劇「アイーダ」第2幕より凱旋行進曲の第二弾として、合唱なしによる通常オケ版、ブラス団体による凱旋行進曲を。早速棚からひとつかみした所、小学生時代に聴いた思い出の音源から珍音源まで、計7つのディスクが揃った。ブラス音源が多い事も、この作品がいかに世間で親しまれているかを物語っている。さて、それぞれの印象やいかに?(ジャケット画像:左上より右回り)

【合唱なしオケ版】
■ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
 (1958~63年録音、フィラデルフィアにて収録、ソニー国内盤


小学5年生の頃、初めてアイーダの凱旋行進曲を知った音源。以前エントリーしたアルバム「CLASSICAL MARCHES」に収録。今聴いてもどことなく懐かしさと安心感を覚える。コルネットのような柔らかな響きのトランペットの音色が印象的で、これも往年のフィラデルフィア・サウンドだな、という事を今更ながら気付かせてくれる。凱旋ならではの雄壮さは感じられないが、初心者にはお勧めできそうだ。

■レナード・バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
 (1967年10月録音、エブリー・フィッシャーホール、にて収録、ソニー海外盤)


以前、「星条旗よ永遠なれ」でエントリーしたアルバム「GREAT MARCHES」に収録。バーンスタインらしく勢いのあるテンポ運びの一方で、版の違いだろうか、中間部ソロの繰り返しでトランペットが抜ける場面がある等、やや肩透かしを食ってしまったシーンも。全体としては、ややライトクラシックな印象が残った。

【吹奏楽版】
■エルガー・ハワース指揮 フィリップ・ジョーンズ・アンサンブル
 (1985年録音、バーナバス教会、ロンドンにて収録、DECCA国内盤


まずは吹奏楽版を。以前エントリーした「ローエングリン」と同様、フィリップ・ジョーンズ・ブラスの吹奏楽編成による演奏。名門ブラスアンサンブルだけに、トランペットセクションの巧さがサウンド上から秀でているのが一聴して分かる。吹奏楽版のお手本としたい音源。

【英国式金管バンド版】
■ニコラス・チャイルズ指揮 ブラック・ダイク・バンド
 (2007年7月録音、Morley Town Hallにて収録、NAXOS海外盤


こちらも以前「ローエングリン」でエントリーしたブラック・ダイク・バンドによる演奏。金管バンド編成だけに、中間部のソロも含めコルネットが担当するが、違和感なく聴ける。金管バンドならではのサウンドの厚みがアイーダには適しているようだ。

【ブラス・アンサンブル版】
■ジャーマン・ブラス
 (2005年4月録音、イエス・キリスト教会、ベルリンにて収録、海外盤


ジャーマン・ブラスのメンバーでもあるマティアス・ヘフスのアルバム「The Trumpet Shall Sound」に収録。ここでは実際にヘフスがアイーダ・トランペットを用いた貴重なソロを聴かせてくれる。メンバーに歌劇場オケの出身者が多い事も手伝って、ヴェルディ作品に対する感性も高い。今回エントリーしたブラス編の中でのマイベスト盤。

【金管五重奏版】
■エムパイヤ・ブラス
 (1989年8月録音、バークシャー・パフォーミング・アーツ・センターにて収録、TELARC海外盤)


以前、ボロディンの「だったん人の踊り」でもエントリーしたエムパイヤ・ブラスによる演奏。全体的にはラテンのノリを感じるアイーダで、驚いたのは中間部のソロ。何とここではホルンがソロを吹いている!調性も異なるが、演奏時間も通常より少ないシンプルな編曲となっており、やや単調な演奏に感じられた。

【トランペット・ソロ版】
■高橋 敦
 (2007年3月録音、mehrsik国内盤)


アルバム「もっとトランペット!」に収録。いわゆるオーケストラ作品の参考音源集で、凱旋行進曲のトランペット・ソロだけを聴いてみたい、あるいは実際に吹いてみたい人にはうってつけとなるだろう。何よりソリストが日本を代表する名手、東京都交響楽団の高橋氏であるのが嬉しい。他の名曲のソロも数多く含まれており、プロ奏者によるお手本として幅広く活用できそうだ。