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初日、ブダペストへ。ブタペストの地名は、ドナウ河を挟む両側の地区名である「ブタ」地区と「ペスト」地区に由来するという。それにしてもこの日は晴天に恵まれた実にいい天気。高台からドナウ河をのぞむ景色はまさに絶景だった(画像①)。
ブタペストの音楽スポットで有名なのは、まず「ハンガリー国立歌劇場」。バスで通過しただけだが、うまく撮影することができた(画像②)。タペストリーの「125」の数字が示しているように、今年で開場125周年を迎えるというヨーロッパでも老舗のオペラ劇場だ。また、歌劇場の周辺には、ハンガリーを代表する作曲家、ゾルターン・コダーイ (1882- 1967)の名前を冠した「コダ―イ広場」や、同じく、同郷のフランツ・リスト(1811-1886)が1875年に創設した「リスト音楽院」等が所在し、ブタペストの中でも特に芸術の香りのする一角となっている。現地のガイドによれば、現在は日本人が80人程留学しているという。


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                                (画像②)

途中で寄ったブタペストの免税店には、CDコーナーがあり、そこにはハンガリーのクラシックレーベル、HUNGAROTON(フンガロトン)のものが何枚か置かれてあった。まず手にとったのは、ハンガリーを代表するオケ、イヴァン・フィッシャー指揮、ブダペスト祝祭管の「ハンガリー舞曲」集のCD。その他、約100名の弦奏者からなる「ブタペスト・ジプシー・オーケストラ」なるジプシーもののCD(コダ―イやリストの有名曲も収録)や、自国の女性ボーカリストによるラブソング集、計3枚のCDを記念に購入した。(画像③)

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                               (画像③)

ハンガリーといえば、日本ではコバケンこと小林研一郎氏(b.1940)が、1987~1997年までハンガリー国立交響楽団を振っていた事でも知られている。コバケン自身、1974年の第一回ブタペスト国際指揮者コンクールで優勝した経歴があり、ハンガリーは彼にとって本格的な海外デビューとなった縁があるようだ。そのコバケンは1992年に「プラハの春」で、東洋人初となるチェコ・フィルを指揮、チェコでも大きな名声を獲得している。

午後は、ブタペストからバスで約1時間程移動。ドナウ河を挟み、スロヴァキアとの国境沿いに位置するハンガリー北部の街、エステルゴムへ。ここでのスポットはエステルゴム大聖堂。教会内では後方に立派なパイプオルガンが配置されていた(画像④)。


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                                (画像④)

その教会内の一角に、「リスト・フェレンツ」(ハンガリーでのリストの名称)と記された石碑が(画像⑤)。エステルゴムの街になぜリストの名前が・・・? 帰国してから調べてみると、1856年、この大聖堂の献堂式に「荘厳ミサ」(通称:「エステルゴムのミサ」)を作曲したという。この大聖堂は、時のイシュトヴァーン1世が、国王に即位した際の大聖堂で、ハンガリーのカトリックの総本山でもある由緒ある建造物。ドナウ河を眼下に見下ろせる美しい景色を見て、リストは何を思いながらこの曲を作曲したのだろうか。                             
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                                (画像⑤)

一時期、オスマン・トルコの支配下に置かれていたハンガリーでは、偶像崇拝が禁止されていた影響か、エステルゴム大聖堂内の人間や動物の像は、顔部分が一部削られていた。
この教会も含め、ハンガリーの建造物は、ウィーンで感じたような絢爛豪華という印象はなく、どちらかというと、石造りのゴツゴツさが全面に出たという印象。それは、ハイドンやモーツァルトを始めとするオーストリア系の音楽と、コダ―イやバルトークといったハンガリー系の音楽から受ける印象に近いものがあり、建造物と音楽との共通点を感じさせる。

最後に、食事について・・・。たまたま訪れたレストランのせいなのか、滞在日数が少なかったせいか、食したメニューはどことなく大味で、あまり美味しいとは感じられなかった(^^;