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今日の一杯はバッハのイタリア協奏曲より第3楽章をアンジェラ・ヒューイット(b.1958)の演奏で(2000年10月録音、ヘンリーウッドホール、ロンドンにて収録、ハイペリオン海外盤)。イタリアの太陽の日差しをさんさんと浴びたような明るさを感じる曲で、バッハ作品の中でもこの第3楽章は以前から好きな曲だった。今回取り上げたヒューイットの演奏は、そんな明るさを持ち合わせる一方で、知的且つスマートさを感じるバッハ。以前、グラモフォンにこの楽曲をレコーディング(1985年録音)しているが、この第3楽章はテンポが以前より更に早くなっており、聴き手を引き込む魅力に溢れている。冒頭から各声部の旋律がくっきりと浮き彫りになっており、まるでスコアを見ているかのよう。チェンバロを意識したようなエンディングの締めくくりも聴いていて爽快だ。
バッハを得意としている彼女なりの研究に基づく一つの模範を示してくれたような音源。いつの日か、この曲を自分もこんな風に弾いてみたい、と思った。