ニューヨーク出身の指揮者。「アンドリュー」で始まる指揮者は他に「アンドリュー・デイヴィス」がいて、知名度では彼の方が高いと思うが、リットンも個人的には目が離せない。
最近ではスティーブン・ハフ(ピアノ)とのラフマニノフのピアノ協奏曲(ハイペリオン)のライブ録音での名演でも脚光を浴びているが、今日は彼がピアニストとして録音をした「ラプソディー・イン・ブルー」のCD(ジャケット画像左/RPO海外盤、ジャケット画像右/PRO国内盤)を。
他にも同曲のCDは複数所有しているのだが、これがなかなかユニークな演奏だ。まず大編成のオケ版ではなく、オリジナルのジャズバンドヴァージョンを使用している。自分が知っている限りではティルソン・トーマスがやはり弾き振りで録音した演奏がある位だ。バーンスタインもプレヴィンも弾き振りはあるが、いずれも通常のオケ版。
オリジナル版使用という所にリットンのこだわりを感じる。演奏メンバーはロイヤル・フィル。個人的には好きなオケの一つだし、ロイヤル・フィルによる「ラプソディー」のCDを聴くのも初めて。イギリスのオケでは他にフィルハーモ二ア管弦楽団演奏のCD(シャンドス)を所有していて、個人的には現段階では同曲のベスト盤になっているが、イギリスのオケに共通した洗練さがこの演奏でも感じられるのが嬉しい。
ちなみにトランペットはロイヤル・フォルの首席奏者であるレイモンド・シモンズが担当。録音会場はロンドンの定番、ヘンリー・ウッドホール。1987年3月の録音だからもう20年前になる。
他にも「ストライク・アップ・ザ・バンド」や「I GOT Rhythm」等、代表曲の数々が収録されていて、これがまたいい!ガーシュインが改めて好きになる一枚。気軽に楽しめた。