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猛暑が続く。こう暑いと体力だけでなく気力も失せる。そんな日は単純に気分爽快な曲を聴こう!日曜日に聴いた吹奏楽サウンドの爽やかさも後押しして、今宵はマーチを。マーチといえばマーチ王スーザ(1854-1932)・・・スーザといえば『星条旗よ永遠なれ』(1896年の作品)、これに決まり!・・・という事で比較試聴の意味合いを含めて珍盤・奇盤、6種類の演奏を一気に楽しんでみた。(以下、ジャケットの画像を時計回りで紹介)

①まずはスタンダードな・・・吹奏楽版(上段左)

まずはスタンダードな吹奏楽版から。マイベスト盤は何といってもブラスアンサンブルの神様、フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルが木管編成を加え、「フィリップ・ジョーンズ・アンサンブル」として演奏をした一枚(1983年1月録音、キングスウェイ・ホールにて収録、DECCA輸入盤)。これぞマーチ!完璧なブラステクニック、マーチとしてのテンポ感の良さは群を抜く。DECCAの優秀スタッフによる空気感ある録音とキングスウェイ・ホールの音響も気に入っている。スーザ・マーチ集の名盤といえるだろう。同ディスクに収録の「雷神」は小学校時代に、「エル・カピタン」「星条旗よ永遠なれ」は高校時代に演奏した懐かしの曲。

②フル編成で演奏!・・・オーケストラ版(上段中)

ユージン・オーマンディ&フィラデルフィア管やレナード・スラトキン&セントルイス響の演奏もいいが、オケ版のノリの良さではレナード・バーンスタイン&ニューヨーク・フィル盤がピカ一のマイベスト盤(ソニー1967年10月録音、エブリー・フィッシャーホールにて収録、ソニー国内盤)。ニューヨーク・フィルと黄金時代を築き上げていた頃の録音で、オケをここまでドライブできるバーンスタインの棒さばきには脱帽させられる。なぜかこのバーンスタイン盤だけで、リマスターが異なるものを3枚持っている。ファン(マニア?)には手放せない(^^;

③超絶技巧!ホロヴィッツによる編曲版・・・ピアノ版(上段右)

過去に浜離宮朝日ホールでのコンサートも聴きにいった事もあるピアニスト、江口 玲氏によるホロヴィッツ編曲による超絶技巧版(2001年10月録音、白根桃源文化会館にて収録、NYSクラシックス国内盤)。アメリカ国籍を取得したホロヴィッツが、第2次世界大戦終結の祝福とロシア移民を受け入れてくれたアメリカに敬意を込めて1945年に編曲した曲だという。最後のグランディオーソはこれでもかといわんばかりの難易度を伺わせる超絶ぶり。こんな難曲を録音してしまう江口氏のテクニックはすごい!ニューヨーク・スタインウェイの音も素敵だ。

④ドラム好きはハマる!・・・吹奏楽ポップス調アレンジ版(下段右)

先日コンサートを聴いたNEC玉川吹奏楽団による演奏(1999年6月録音、みなとみらいホールにて収録、CAFUA国内盤)。吹奏楽の人気作曲家、真島俊夫氏の編曲によるもの。1999年の定期演奏会でのライブ録音で、ボストン・ポップス系が好きな方にはマジでハマります!ドラムの阿野次男さんのテクニックが冴え渡るライブ感あふれる演奏。

⑤こんな壮大な演奏も・・・パイプオルガン版(下段中)

えっ、こんなのもあったの?とうなってしまう珍しい演奏(1988年3月録音、マサチューセッツにて収録、argo国内盤)。パイプオルガンの荘厳な響きに身を委ねる事ができる。演奏はイギリスの名オルガニスト、サイモン・プレストン。1863年にボストンに設置され、ボストン交響楽団が創立される前からオケ曲を演奏して市民を楽しませ、「ザ・グレート・オルガン」と呼ばれて愛されてきた由緒あるオルガンだという。

⑥青春の一コマ・・・都立○高吹奏楽部時代のアンコール版(下段左)

最後はオマケ(^^)高校時代の定期演奏会でアンコールのトリを飾った曲(1990年3月録音、杉並公会堂にて収録、自主制作盤)。アンコールの手拍子にのって演奏するスタイルは今では吹奏楽のコンサートではお馴染みの光景だ。時すでに15年以上が過ぎたが、CDによって今でも当時の感動が鮮やかによみがえるのが嬉しい・・・。それにしてもスネアとバスドラのすごい迫力!我が青春時代、懐かしいなあ(^^;

他にも、エムパイア・ブラスによる金管5重奏版やシンシナティ・ポップスによるオケ+合唱版(最後のグランディオーソの部分に合唱が加わる)等、様々な版が存在するのであった。