クラシックCDは小ロット生産の世界の為か、廃盤となる確率も高い。既に廃盤となっており半ばあきらめていたCDを、中古CDショップで見つけた時の喜びは格別だ。そんな出来事が今週 あった。会社からの帰り、初めて訪れたとある中古CDショップ。そこで指揮者のネーメ・ヤルヴィがCHANDOSレーベルに録音したバルトークの「かかし王子」を発見。半年以上前にネットではその存在が知られながら廃盤となっていたがゆえにお目にかかれなかったアルバムだった。すぐさまそのCDを購入、ちょうど翌日は長野で会議の為、特急電車で移動する矢先だった。同じような経験をした人なら分かってもらえると思うが、こういう日はクラシックファンにとって嬉しいものだ。
さて、肝心の「かかし王子」だが、ユニークなネーミングだ。パントマイムの舞台音楽だという。カップリングは「中国の不思議な役人」。これまたユニークだが、ネームバリューや、曲の起伏はこちらの方が高い。ストーリーも知っておくと劇音楽としての楽しみも加わるので尚更だ。特に終曲はストラヴィンスキーの「火の鳥」を思わせるような盛り上がりを見せる。
ストーリーはこちらをご参考に。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0%E3%81%AA%E5%BD%B9%E4%BA%BA
フィルハーモニア管弦楽団の演奏が素晴らしい。1990年代前後の録音には名盤が多く、他にもサー・デイヴィッド・ウィルコックスと組んだウォルトンのアルバムがあり、今でも自分にとっての愛聴盤となっている。特に金管セクションの素晴らしさは首席トランペット奏者のジョン・ウォーレスの力に拠る所も大きい。
余談だが、以前ブログしたフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルにも一時期所属しており、後年、ウォーレス・コレクションという自分の名を冠したブラスアンサンブルを結成している。このウォーレス・コレクションという名前、実はロンドンに実存する美術館の名を模したもの。学生時代に語学ホームステイをした時にも、ロンドン周辺の地図にばっちりと記載があった。