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前回、「男性的なモーツァルト」と称したショルティのモーツァルトの第二弾として交響曲第40番と第41番の二大名曲のカップリングのアルバムを聴く('84年6月録音、アルテ・オーパー、フランクフルト デッカ国内盤)

ヨーロッパ室内管弦楽団による演奏で、シカゴ交響楽団とのコンビではない。顔合わせの期間は短かかったはずだし、プレーヤーも若手揃いだ。しかし当時のショルティは後進の育成にあたる時期でもあったのだろう、オケを巧みにドライブし、室内オケの中に先回述べたモーツァアルト像を見事に創り出している。オケは変わってもショルティ節を引き出せるのはまさにベテランのなせる技と言えるだろう。オケもショルティの指揮に見事に応えており、ベテラン指揮者と若手オケとの理想的な組み合わせといえる一枚だと思う。

そういえば自分が高校生の頃だっただろうか、若手のオケを起用し、ダドリー・ムーアという俳優?との会話を交えながらオーケストラの魅力を伝えるTV番組も日本ではNHK教育を通じて放映されていた。今もそのいくつかの放映分は大切に保存している。

録音もさすがデッカ、実に良好だ。かつてバーンスタインがウィーン・フィルとマーラー交響曲第五番の名盤を残した会場でもあるフランクフルトのアルテオパー(旧歌劇場)の長めの残響もプラスに作用している。