iPod通勤時の騒音対策としてSONYのノイズキャンセリングイヤホンを購入した。iPodを購入して約一ヶ月、平日は夜しか音楽が聴けないという問題点は解消され、朝からオーディオライフを満喫できるようになったものの、電車の車両騒音はやはりやっかいな問題。これまで帰省時の新幹線や先日の北海道出張時などの飛行機の長距離移動にはBOSEのノイズキャンセリングヘッドフォンを活用していたが、普段の通勤は密閉式インナーイヤーのカナル型で充分だと思っていた。
ところが低音域が車両音にかき消されてしまい、うまく聞こえてこない。POPSだとあまり影響は受けないが、ダイナミックレンジが広く、かつ繊細なアコースティック楽器の集合体であるクラシック音楽にとっては大問題だ。
したがって、これまで大編成のオーケストラ作品をiPodを入れる事にはある種のためらいがあった。低音域がかき消されてしまうクラシックのサウンド・・・これ、「聴いて」いる事になるのだろうか?と。それは結果としてiPodへの収録曲にも室内楽編成でソロ楽器が活躍するバロック曲を入れる傾向になっていた。
ジャズも同じ。ピアノ・トリオ等、ベースラインの動きもキーとなる音楽にとって低音域へのダメージは大きかった。
iPod通勤も約1ヶ月が過ぎた事もあり、ものは試しという気持ちで、今回カナル式からノイズキャンセリングイヤホンに交換してみた。従来通り耳かけ型でないと意味がないので、メーカーは迷わずSONYのMDR-NC22を購入。環境ノイズを約4分の1に低減する効果があるモデル。
<主なスペック>
・再生周波数帯域:8~22,000Hz
・雑音抑圧量:12dB以上(200Hzにて)
・雑音抑圧周波数帯域:50~1,500Hz
<その他>
・航空機用プラグアダプター付属
早速通勤時に着用する。ノイズキャンセリングの効力にまずは感動した。逆位相によるノイズの低減効果によって、本来のダイナミックレンジが戻ってきたかのようにみえた。クラシックでは大編成オーケストラのコントラバス群の動きが聴き取れるし、ジャズではベースの動きもはっきり聴き取れる。まずは一番のネックは解消された。
ただし、これも逆位相の影響だろう、全体的には解像度がやや落ちるように感じるのは残念。これはBOSEのノイズキャンセリングヘッドフォンでも同感だった。結局、何かを実現する為には何かを犠牲にしなければならないという事なのだろう。
解像度はクリアだが、低音域がぼやけたサウンドをとるか?それとも解像度はやや落ちるが、低音域から中高音域までまんべんなく聴きやすくなるサウンドを優先するか?今回、自分は後者を優先した、という事になる。
日々の生活は色々な騒音に囲まれているといっても過言ではない。願わくば、ノイズキャンセリング機能と高解像度の機能を併せ持ったノイズキャンセリングイヤホンを求めたい。自分だけでなく、きっと待ち望まれるニーズがある事だろう。少なくとも、クラシック派のリスナーには(^^;どこのメーカーか、作ってくれないだろうか?(^^)