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昨日に続き、今日もモーツァルトの「ディヴェルティメント」集を。こちらは11名の編成による弦楽アンサンブル。ウィーン・フィルの首席奏者を中心に、'74年に結成した弦楽アンサンブルだ。演奏はハーゲン弦楽四重奏団とはまた別の意味で個性の光る名演。まず、人数が増えた分のパワーが増している事に加え、コントラバスが加わっている事による低域の安定で、メロディー部のアーティキュレーションがよりはっきりした爽やかな演奏に仕上っている。もちろん、全員がウィーン・フィルという土壌で鍛えられているだけに、ウィーン流儀に適った奏法だ。

リーダーはウィーン・フィルのコンサートマスターであるライナー・ホーネック。どちらかというとライナー・キュッヒルの名前の方が知られているが、この演奏を聴いて改めて彼のリーダーとしての実力を知らされた感がある。しかも、偶然にもハーゲンのCDと同じ選曲で、比較試聴にももってこいだ。優劣はつけるまでもなく、どちらも素晴らしい。敢えていえば、ディヴェルティメントニ長調K.136に関しては、ウィーン弦楽ゾリステン版の方が好みだ。風がたなびくような爽やかさが、こちらは一層引き立っている。

録音は、ちょうど彼らが日本に来日中の94年の11月に大泉文化村ホールで行われた。レーベルはFONTEC。個人的に、好きな日本を代表するレーベルで、このCD以外にも、東京都交響楽団のライブ録音や九州交響楽団など、日本のオーケストラの録音文化の発展にも寄与している。録音も素晴らしく、このCDもウィーンの音を、日本に居ながらにして、非常にうまくとらえた名録音。本拠地は東京都杉並区荻窪にあり、個人的に長らく住んでいた地でもあり、親近感も覚える(^^)今後のアルバム展開にも期待したい。

余談だが、父親の還暦の今日、お祝いのプレゼントのお返しに父よりお礼のTELがあった。3人のコラボレーション?が実った嬉しい一日だった。