今宵もバッハのディスク・・・気が付けば今週は全てバッハ作品のエントリーになっていた(^^; 偶然とはいえ、自分の中でここ最近バッハを聴く機会が増えてきたのは確かだ。特にiPodを活用するようになってからは、朝の通勤はバッハのリピート率が高い。解釈や演奏における自由度の高さが、朝のまだ起き始めの脳の活性にも役立っているのだと思う。「ブランデンブルク協奏曲」を始め、「ヴァイオリン協奏曲」や「クリスマスオラトリオ」、「ミサ曲 ロ短調」などなど・・・いずれもiPodでもインプットして聴き込んで来た作品だ。
今宵はヤープ・テル・リンデン指揮(&チェロ)、アリオン・バロック・オーケストラによるディスクで('01年10月29~31日録音、聖オーギュスタン=ド=ミラベル教会、SELECT輸入盤)。
収録曲は以下の通り。
①管弦楽組曲 第1番 BWV1066
②ブランデンブルク協奏曲 第5番 BWV1050
③フルート、ヴァイオリン、チェンバロ、弦楽合奏と通奏低音のための
協奏曲 BWV1044
④2台のチェンバロと弦楽合奏のための協奏曲 BWV1061
実に鮮度の高い演奏。農家で今朝摘み取ってきたばかりの、とれたての野菜のような、とでもいったらいいだろうか。①の「序曲」から既にいい香りが漂ってくる。④も2台のチェンバロがバックのオケのサウンドと絶妙に溶け合い、心地よいハーモニーを作り出している。添加物が一切入っていない純正アコースティックを十分に楽しめるサウンドだ。ピリオド・アプローチによる演奏や教会の芳醇な残響が、その鮮度感を更に高めているのかもしれない。
アリオン・バロック・オーケストラの演奏は今回初めて聴いたが、'81年に結成されたカナダの団体。オケとしては歴史が浅いが、アメリカにもオルフェウス室内管弦楽団('72年結成)のような、浅い歴史ながらもすぐに頭角を現したオケもある。ヨーロッパの室内オケの方が、その数からいってどうしても注目されがちだが、カナダにも素晴らしい団体がある事を今回知ることができた。
指揮者のヤープ・テル・リンデンは自身チェロ奏者でもあるが、ジャケットを見ていると、彼の人間性が伝わってくるようだし、ジャケットに写るメンバーの姿もアットホームな雰囲気が伝わってきて良い。
この世の中には自分の知らない団体が、まだまだ多く存在すると共に、その数だけ隠れた名演も存在している。名演・名盤との出会いがあるからクラシックはやめられない(^^)