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ロンドン交響楽団による映画・TVサントラ編の第4弾として、映画音楽の巨匠、ジョン・ウィリアムズ(b.1932)との共演ディスクを。ウィリアムズとロンドン響とは縁が深く、彼らの存在を世の中に知らしめたのが、名作「スター・ウォーズ」だった。本アルバム「ハリウッド・サウンド」は過去のアカデミー賞受賞作品の中から、ジョン・ウィリアムズ本人の作品を含め、古今東西のハリウッドの名作から選曲されている点がポイント。収録曲は以下の通り。

①アラビアのロレンス(モーリス・ジャール)
②E.T.~フライング・テーマ(ジョン・ウィリアムス)
③愛と哀しみの果て~メイン・タイトル(ジョン・バリー)
④オズの魔法使い~オーケストラのためのファンタジー
 (ハーバード・ストサート,エドガー・イップ・ハーバーグ,ハロルド・アーレン)
⑤ジョーズ~テーマ(ジョン・ウィリアムス)
⑥ロビン・フッドの冒険~ロビン・フッドとその仲間たち(コルンゴルド)
⑦ポカホンタス~カラー・オブ・ザ・ウィンド(アラン・メンケン)
⑧ラスト・エンペラー~テーマ(坂本龍一)
⑨陽のあたる場所~組曲(フランツ・ワックスマン)
⑩白い恐怖~ドリーム・シークエンス/山小屋(ミクロス・ローザ)
⑪ゴッド・ファーザー・パート2~メイン・タイトル/移民(ニーノ・ロータ)
⑫ダンス・ウィズ・ウルヴズ~ジョン・ダンバーのテーマ(ジョン・バリー)
⑬悪魔の金~ミスター・スクラッチ(バーナード・ハーマン)
⑭美女と野獣~テーマ(アラン・メンケン)
⑮我等の生涯の最良の年~テーマ(ヒューゴー・フリードホーファー)
⑯スター・ウォーズ~メイン・タイトル(ジョン・ウィリアムズ)

ジョン・ウィリアムズ指揮 ロンドン交響楽団
(1996年7月録音、アビー・ロード・スタジオ他にて収録、ソニー国内盤)


ジョン・ウィリアムズのタクトとしては坂本龍一作曲の「ラスト・エンペラー」を取り上げているのが興味深い。ディズニー作品の「美女と野獣」では、惚れ惚れするトランペットのソロが聴けて素晴らしい。ウィリアムズ自身の作品は既に同ソニーレーベルからボストン・ポップスとの共演で主要なものがレコーディングされてしまった感があるが、そんなボストン・ポップスと聴き比べの楽しみもある。本アルバムでは「E.T.」や「ジョーズ」等、彼の代表作も収められているが、何より嬉しいのは最終曲に「スター・ウォーズ」が収められている点。本家本元の演奏だけに、彼らの共演に勝るものはないといえるだろう。このアルバムの録音は1996年。「スターウォーズ」の新作の録音スタートしたのが1998年だから、彼にとっては新作へのアイデアを巡らせる充電時期にもなったのかもしれない。ジョン・ウィリアムズとロンドン響が残した名盤の一つとして、本アルバムはこれからも愛聴され続けるだろう。