ドイツ・グラモフォンの看板アーティストの一人、アイスランド出身のピアニスト、ヴィキングル・オラフソン(b.1984)のリリース3作目となる、ジャン=フィリップ・ラモーとクロード・ドビュッシー作品のアルバムを聴く。購入のきっかけはアルバム中盤に収録されているラモーの「芸術と時間」という曲。コロナ禍真っ只中の2020年8月、You Tubeで観たのがオラフソンの演奏していた「芸術と時間」で、シンプルな旋律ながら深い響きに満ち、悠久の時の流れが感じられるような曲で、なんて癒されるのだろう…と感じたものだ。ラモーの楽曲には時代を超えたものを感じる。
その動画がこちら → youtu.be/qTwqBVt2Clw
この曲の正式名称は『歌劇「レ・ボレアド」第4幕第4場から「ミューズたち、ゼフィールたち、季節、時間、芸術の到着」による』という長いタイトルで、歌劇「レ・ボレアド」自体はラモーが携わった最後のオペラ作品だという。それをオラフソン自身がモダン・ピアノで現代に蘇らせてトランスクリプションしているが、オペラ自体は知らなくても、この曲を彼自身が取り上げた選曲眼が素晴らしい。それはこのアルバム全体にもいえることで、それぞれ生きた時代の異なるラモー(1683-1764)とドビュッシー(1862-1918)の二人の作品を取り上げ、同アルバムに二人の作品が違和感なく共存しているというプログラミングにもうならされるものがある。ドビュッシー作品には有名な「亜麻色の髪の乙女」も収録されているが、二人の作曲家や各々の作品を知らなくても、楽曲同士が呼応しているような気がする。まさに時代を超えたラモーとドビュッシーの両作曲家へのオマージュともいえる。自分にとってはステイホームの環境下で、じっくりと耳を傾けられるヒーリング的な存在にもなった。アルバム全体の収録曲は以下の通り。
ドビュッシー:
1. 《選ばれし乙女》から 前奏曲
ラモー:
2. 鳥のさえずり
3. リゴードン1, 2 &ドゥーブル
4. ロンドー形式のミュゼット
5. タンブーラン
6. 村娘
7. ロンドー形式のジグ1&2
ドビュッシー:
8. 《版画》から 雨の庭
9. 《子供の領分》から 人形へのセレナード
10. 《子供の領分》から 雪は踊っている
ラモー:
11. 優しい嘆き
12. つむじ風
13. ミューズたちの語らい
ドビュッシー:
14. 《前奏曲集 第1巻》から 雪の上の足跡
ラモー:
15. 喜び
16. 一つ目の巨人
ラモー/オラフソン:
17. 芸術と時間
ドビュッシー:
18. 《前奏曲集 第1巻》から 亜麻色の髪の乙女
19. 《前奏曲集 第2巻》から 水の精
ラモー:
20. 《第5コンセール》から キュピ
21. 《第4コンセール》から 軽はずみなおしゃべり
22. 《第4コンセール》から ラモー
23. めんどり
24. エンハーモニック
25. メヌエット1&2
26. 未開人たち
27. ジプシーの女
ドビュッシー:
28. 《映像 第1集》から ラモーを讃えて
ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)
(2019年8月録音、レイキャヴィーク、アイスランドにて収録、ドイツ・グラモフォン国内盤)
購入時、偶然にもヴィキングル・オラフソンのアルバムと共に持ち帰ったクラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」の表紙(画像下)にはオラフソンの姿が。同年12月にヴァイオリニストの庄司紗矢香さんとの国内ツアーの告知が兼ねられており、紙面で語られていた"分析力と主観性のバランスが絶妙で、フレキシビリティもある"という庄司さんのコメントにも納得。
彼自身、コロナ禍のドイツで同年8月にホームレコーディング的に収録されたYou Tube動画では彼の解説と共に4曲(※)が収録されているが、最終曲がこのラモーの「芸術と時間」となっており、ここでも彼の演奏が堪能できるのが嬉しい。最近はSNSやYou Tube上でアーティストの存在や演奏を聴き、購入に至るケースも増えてきたような気がする。オラフソンの今後の活動に注目してきたい。
その動画がこちら → https://www.youtube.com/watch?v=HdKkRs6H8jE
(※演奏曲)
1. J.S. Bach (arr. Stradal): "Andante" (from Organ Sonata No. 4)
2. Rameau: "Le rappel des oiseaux"
3. Debussy: "The Snow is Dancing" (from Children's Corner)
4. Rameau (arr. Ólafsson): "The Arts and the Hours" (from Les Boréades)
その動画がこちら → youtu.be/qTwqBVt2Clw
この曲の正式名称は『歌劇「レ・ボレアド」第4幕第4場から「ミューズたち、ゼフィールたち、季節、時間、芸術の到着」による』という長いタイトルで、歌劇「レ・ボレアド」自体はラモーが携わった最後のオペラ作品だという。それをオラフソン自身がモダン・ピアノで現代に蘇らせてトランスクリプションしているが、オペラ自体は知らなくても、この曲を彼自身が取り上げた選曲眼が素晴らしい。それはこのアルバム全体にもいえることで、それぞれ生きた時代の異なるラモー(1683-1764)とドビュッシー(1862-1918)の二人の作品を取り上げ、同アルバムに二人の作品が違和感なく共存しているというプログラミングにもうならされるものがある。ドビュッシー作品には有名な「亜麻色の髪の乙女」も収録されているが、二人の作曲家や各々の作品を知らなくても、楽曲同士が呼応しているような気がする。まさに時代を超えたラモーとドビュッシーの両作曲家へのオマージュともいえる。自分にとってはステイホームの環境下で、じっくりと耳を傾けられるヒーリング的な存在にもなった。アルバム全体の収録曲は以下の通り。
ドビュッシー:
1. 《選ばれし乙女》から 前奏曲
ラモー:
2. 鳥のさえずり
3. リゴードン1, 2 &ドゥーブル
4. ロンドー形式のミュゼット
5. タンブーラン
6. 村娘
7. ロンドー形式のジグ1&2
ドビュッシー:
8. 《版画》から 雨の庭
9. 《子供の領分》から 人形へのセレナード
10. 《子供の領分》から 雪は踊っている
ラモー:
11. 優しい嘆き
12. つむじ風
13. ミューズたちの語らい
ドビュッシー:
14. 《前奏曲集 第1巻》から 雪の上の足跡
ラモー:
15. 喜び
16. 一つ目の巨人
ラモー/オラフソン:
17. 芸術と時間
ドビュッシー:
18. 《前奏曲集 第1巻》から 亜麻色の髪の乙女
19. 《前奏曲集 第2巻》から 水の精
ラモー:
20. 《第5コンセール》から キュピ
21. 《第4コンセール》から 軽はずみなおしゃべり
22. 《第4コンセール》から ラモー
23. めんどり
24. エンハーモニック
25. メヌエット1&2
26. 未開人たち
27. ジプシーの女
ドビュッシー:
28. 《映像 第1集》から ラモーを讃えて
ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)
(2019年8月録音、レイキャヴィーク、アイスランドにて収録、ドイツ・グラモフォン国内盤)
購入時、偶然にもヴィキングル・オラフソンのアルバムと共に持ち帰ったクラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」の表紙(画像下)にはオラフソンの姿が。同年12月にヴァイオリニストの庄司紗矢香さんとの国内ツアーの告知が兼ねられており、紙面で語られていた"分析力と主観性のバランスが絶妙で、フレキシビリティもある"という庄司さんのコメントにも納得。
彼自身、コロナ禍のドイツで同年8月にホームレコーディング的に収録されたYou Tube動画では彼の解説と共に4曲(※)が収録されているが、最終曲がこのラモーの「芸術と時間」となっており、ここでも彼の演奏が堪能できるのが嬉しい。最近はSNSやYou Tube上でアーティストの存在や演奏を聴き、購入に至るケースも増えてきたような気がする。オラフソンの今後の活動に注目してきたい。
その動画がこちら → https://www.youtube.com/watch?v=HdKkRs6H8jE
(※演奏曲)
1. J.S. Bach (arr. Stradal): "Andante" (from Organ Sonata No. 4)
2. Rameau: "Le rappel des oiseaux"
3. Debussy: "The Snow is Dancing" (from Children's Corner)
4. Rameau (arr. Ólafsson): "The Arts and the Hours" (from Les Boréades)