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【B.吹奏楽版】
○佐渡 裕指揮 シエナ・ウィンド・オーケストラ
 ('99年7月録音、すみだトリフォニーホールにて収録、ERATO国内盤)


バーンスタインの愛弟子の佐渡 裕氏の指揮と、今や中高生を中心に絶大な人気を誇るシエナ・ウィンド・オーケストラによる演奏。バーンスタインから直々の薫陶を仰いでいるだけに、通常のオケとの共演も聴いてみたい所だが、吹奏楽の醍醐味を十分に堪能できる演奏。オケのドライヴ力はバーンスタイン譲りだ。自分の現役時代もこんな演奏ができたらどんなに感動できたことだろう・・・(^^;
シエナ・ウィンド・オケは'90年結成と、国内では若いウィンド・オケながら、佐渡氏とタッグを組み始めてめきめきと頭角を現し始めた。メンバーも優秀な若手が揃っており、最近、東京交響楽団の首席トランペット奏者に就任して活躍している佐藤友紀氏のような奏者もいる。
録音もすみだトリフォニーホールの残響とうまく溶け合い、素晴らしい音響効果をあげている。

○加養浩幸指揮 士気シビックウインドオーケストラ
 ('04年2月録音、芝山文化センターにて収録、CAFUA国内盤)


吹奏楽コンクール金賞受賞の常連団体、士気シビックウインドオーケストラによる演奏。シエナ盤と比べるとややゆったりとしたテンポ。無理をしすぎない程度に演奏をセーブしたか?技巧的なストリングスパートを木管パートに置き換えるのだからある意味無理もない。中間部は木管・金管のハーモニーが美しく溶け合う。(^^;彼らの演奏を聴いて昨年8月にミューザ川崎で聴いた昭和ウィンド・シンフォニーの演奏を思い出した。

【C.ブラスアンサンブル版】
○ファンファーレ・オーケストラ・オブ・ザ・ネーデルランド
 ('01年7月3・4日録音、ケルクラーデにて収録、NM Extra輸入盤)


オランダのオケで活躍する管楽器奏者によって結成された団体による演奏。メンバーにはアムステルダム・コンセルトヘボウ管のフリッツ・ダムロウの名前もある。「ファンファーレ・オーケストラ」とは金管楽器に木管のサックスが加わったオランダ・ベルギー固有の編成の事を指すらしい。35名程の編成の中に、5名のサックス奏者がクレジットされているが、英国式ブラスバンドと異なるのはフリューゲル・ホルンの数(ここでは7名)がコルネット(ここでは2名)を上回っており、また通常は加わらないトランペット(ここでは2名)も編成に加わっている点。
サックスが機動力を発揮し、「キャンディード」のストリングスパートも何のその。フリューゲルホルンの厚みのある音色が、華やかながらも全体的には落ち着きのあるサウンドを生み出している。ライヴ録音ならではのノリも良い。

【D.ピアノ・ソロ版】
○三舩優子(ピアノ)
 ('95年録音、秋川キララホールにて収録、ファンハウス国内盤)


ピアノ・ソロ版なるものも存在した。ライナーノーツによると、このピアノ・ソロ版はバーンスタインによる合唱版の編曲楽譜で、世界初録音という貴重な録音。6~12歳までをニューヨークで過ごした三舩氏だけあり、昨年10月の「ラプソディー・イン・ブルー」の実演に接した時と同様、ジャズ・フィーリングが活きた演奏になっている。

【E.電子オルガン版】
○内海源太(エレクトーン)
 ('00年12月録音、Qism国内盤)


何と電子オルガンによる編曲のディスクまでが存在した!電子オルガン奏者の平沼有梨氏、内海源太氏によるアルバム「2000 classics」からの一曲。
ここでは内海源太氏による編曲と演奏。原曲の持ち味はそのままに、オーケストラと同様の音色を奏でることのできる電子オルガンの特長を最大限に生かした名アレンジ。
アコースティック音に慣れている自分が聴けばすぐに聞き分けがつくが、生のオーケストラと勘違いしてしまう人もいるのではないか、と思うほどのリアルさだ。音色のリアルさだけでなく、何より内海氏の演奏力が素晴らしい。電子オルガンの特性を把握した上で、生のオケの息づかいまでも感じさせる表現を可能にしている。
ここではELX-1mという当時最高のエレクトーンモデルを使用。自分自身、幼少の頃に習っていたレバー方式のエレクトーンの音とは大違いだ(^^)技術の進化と共に、電子オルガンもここまでリアルに限りなく近づいたと感じさせられた。