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これまで、「だったん人の踊り」の合唱付版通常オケ版とエントリーしてきたが、管弦楽以外のジャンルでも様々なアレンジで愛奏されている。普段、愛聴するブラスの世界でも4つの音源が。高校時代、大きな影響を受けた2つの団体を含め、最後は秘蔵音源(?)で締めくくってみた。(ジャケット画像:左上より時計回り)

【トランペット5重奏版】
○トランペット5
 (1990年12月録音、IMAホールにて収録、ALM RECORDS国内盤)


先頃N響を定年退職した元首席奏者、津堅直弘氏が率いるトランペット・アンサンブル、「トランペット5」によるもの。この音源を初めて聴いたのは、高校2年時の夏頃に、新大久保の山野楽器ウィンドクルーで津堅氏のクリニックを受けた後の店内で流れていたBGMだったように記憶している。伴奏にピアノが加わっているものの、木管や弦楽器の難しいパッセージを5本のトランペットだけで吹きこなしてしまう演奏とアレンジ(編曲は津堅氏)に、トランペットでここまでの表現が出来るのか、と驚かされたものだ。メンバー全員が、このアルバムではホルトンブランドのトランペットを使用しているが、ホルトン独特のライトな響きがここでは良い方向に作用している。トランペットにのめり込んでいた高校時代に、津堅氏のクリニックに加え、彼らの実演にも2回接することができ、当時の大きなエネルギー源となった。

【金管5重奏版】
○エンパイヤ・ブラス
 (1989年8月録音、マサチューセッツにて収録、TELARC海外盤)


アメリカの名門金管五重奏団、エンパイア・ブラスによるもの。冒頭、いきなりサビから始まり、クライマックスのエンディングを経ずに終わるアレンジの為、やや物足りなさも残るが、リーダーのスメドヴィグのヴィルトゥオーゾなテクニックはここでも冴えわたっている。高校2年時に、エンパイア・ブラスの来日公演をサントリーホールで聴けたのは貴重な体験だった。

【ブラスバンド版】
○ニコラス J. チャイルズ指揮 ブラック・ダイク・バンド
 (2007年録音、OBRASSO RECORDS海外盤)


何とブラスバンド版もあったとは!調性は原曲と異なってはいるものの、「だったん人」のエッセンスは見事に表現されている。演奏はブラスバンド界の最高峰、ブラック・ダイク・バンドによるもの。

【吹奏楽版】
○西ウィンド・オーケストラ
 (1990年3月録音、杉並公会堂にて収録、自主製作盤)


高校1年時に出演した定期演奏会のライヴ音源。定演のメイン・プログラムとなった曲で、自分にとっての原点となる演奏。テクニック的な拙さは残るものの、演奏会にかけるメンバーの意気込みが伝わってくる熱演。感慨深い。