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昨年2014年に、大ヒットした「アナと雪の女王」のテーマ。ブラス界のポップスアルバムの老舗、「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」へのアルバムにも2015年度版への収録を予想していたが、期待通り、本年2015年7月に発売された「ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2015」の最新アルバムに収録された。お待たせしました!といわんばかりに、『アナと雪の女王・メドレー』は通常編成によるメドレー版(編曲:森田一浩)以外に、ボーナストラックに小編成ヴァージョンのメドレー(編曲:星出尚志)も収録されているのも、昨今の様々なバンド形態への配慮があって嬉しい。

1. M.ルグランの世界
2. パパはマンボがお好き
3. アナと雪の女王・メドレー
4. J-POPメドレー2
5. ジャパニーズ・グラフィティーXIX
6. キッズアニメ・メドレー
7. シンデレラ・メドレー
8. 夢~岩井直溥先生の思い出に~
9. アナと雪の女王・メドレー~Short ver.

天野正道指揮 東京佼成ウインドオーケストラ


通常編成のメドレー版は「パーフェクト・デイ(特別な一日)」~「生まれてはじめて」~「雪だるまつくろう」~「レット・イット・ゴー(エンドソング)」という4つのテーマによるメドレー。世の中では、先にエントリーした英国式金管バンドをはじめ、既に様々なアレンジによるメドレーが出ており、本作もそれなりに凝ったアレンジとなっている。しかしながら、好みの問題かもしれないが、個人的には各シーンがやや分断された感じがあり、メドレーとしてのつながりがいま今一つで、期待していたほどの感動がなかったのが正直なところ。

一方で、世代間の違いもあるのだろうが、本作で最も楽しめたのは、“ドリフターズメドレー”というべき『ジャパニーズ・グラフィティーXIX 』(5曲目に収録)。往年のヒットメロディーが詰まったヒットメドレーに仕上がっている。
メドレー順は、「チョットだけョ!全員集合」~「ドリフの早口ことば」~「ドリフのズンドコ節」~「ほんとにほんとにご苦労さん」~「盆回り」~「ヒゲのテーマ」~「志村けんの全員集合 東村山音頭」~「いい湯だな」、という流れ。
「ヒゲダンス」や「早口ことば」、「いい湯だな」など、自分自身もよくモノマネしたし、少年時代に家族で見たお茶の間の思い出が蘇ってくる。いつもながらにパワフルな東京佼成ウインドオーケストラのブラス陣も、ドリフのサウンドを存分に鳴らしきっているのが爽快だ。

その他、「夢をかなえてドラえもん」や「ようかい体操第一」などを含むアニメがメドレーになった『キッズアニメ・メドレー』(6曲目に収録)、パトリック・ドイルの最新作となった映画「シンデレラ」の『シンデレラ・メドレー』(7曲目に収録)、ミシェル・ルグランの「キャラバンの到着」を含めたヒット曲がメドレーとなった『M.ルグランの世界』(1曲目に収録)など、老若男女問わず楽しめるアルバムに仕上がっている。昨年2014年5月に90歳で惜しくも亡くなった岩井直溥氏を偲ぶ曲「夢~岩井直溥先生の思い出に~」(8曲目)が収録されているのも特筆しておきたい。久々にこれは買いだ!と思えたアルバムだった。