先週から、ついにiPodデビューをしてしまった…。
「してしまった…」と冒頭から歓迎ムードでなかったのは、携帯デジタルオーディオプレーヤーを購入する事へのネックをいくつか感じていたからだった。
使用するのは主に通勤時間。ともすると音楽を「聴く」=「鑑賞する」ではなく、「聞き流す」=「消費する」という行為になってしまうのではないか?そもそも騒々しい電車の中で、クラシックを聴く事自体が出来るのか?
これまで出張や帰省での新幹線や飛行機の中で、CDウォークマンを聴く機会は何度とあった。しかし、通勤時で立ちっぱなしの電車内と比べ、着席していたという状態になっていたからこそ「聴く」事が出来たし、機内であってもノイズ・キャンセリングヘッドフォンが克服をしてくれていた。
最大のネックはiPodを始めとする携帯デジタルオーディオプレーヤーに大きな抵抗を感じていたのは音源の「圧縮」という問題。i-podに通常モードで音源を取り込むとCDのビットレートの約12分の1の圧縮率(ロッシー圧縮)となる。ポップス中心ならまだいいが、ダイナミックレンジの広いクラシックを主なソースとして聴く自分にとって、CDの12分の1の圧縮音源を聴くことに耐えられそうになかった。何千曲、何万曲保存できるという携帯デジタルオーディオプレーヤーのメリットはPC上で「圧縮」に変換する事によって可能になったといえる。
そんなリスクに抵抗を感じてたとはいえ、サラリーマンをしていると、自宅で音楽を聴く時間は平日は夜だけの限られた時間になってしまう。往復約2時間の通勤時間を有意義に活用したい、3,000枚を超えるCDソフトの資産を有効活用したい、という気持ちを常々持っていた。
そんな中で、一冊の本との出会いが自分のi-Pod購入への第一歩を踏み出す事になる。オーディオ・ビジュアル評論家、麻倉怜士氏の著による「やっぱり楽しいオーディオ生活」(アスキー新書)という新書だった。「レコード芸術」誌での連載がきっかけでその名を知ってはいたが、ここでiPodにも非圧縮の「WAV」というモードが選択できる方法がある事を知る。非圧縮にまでしなくても、圧縮率を約2分の1までに縮める事ができる「ロスレス圧縮」=「appleロスレス」というモードがある事も知った。
これによって保存される曲数は減る。しかし、外で聴く音楽とはいえ、音の伸びや臨場感まで犠牲にはしたくなかった。これで、圧縮に関してはひとまず問題解決(^^)
そこへ今回、第3世代の最新モデルが出た事が、ついに本格的な購入への後押しに。購入にあたっては下記のような選択をした。
①機種
サイズ、重量を重視。当初は160GB入る大容量の「iPod classic」を検討していたが、夏時での使用を考えると、ワイシャツのポケットに140gの重量は厳しい・・・という事で、最終的に「iPpod nano」を選択。
②容量
迷うことなく、8GBを選択。このサイズでもっと容量が増えるといいのになあ・・・(^^;
③カラーヴァリエーション
個人的には黒が好みだが、通勤使用が主なので、ワイシャツ系の色に合わせられるシルバーを選択した。
購入する際に、びっくりしたのは保護ケースの小ささ。時計の保護ケースより小さいのかも・・・。まともな取扱説明書はなく「クイックスタート」なる日本語解説があるのみ。HP上での説明に委ねる事にユーザーフレンドリーさを初めは感じなかったが、取説を読むこともない位、操作方法がシンプルなのもまた事実。この「シンプル」さがまさしく、apple社の売りでもある。「紙の最小限使用」=「エコへの貢献」も社のテーマか?
もう一つびっくりしたのは、アクセサリーアイテムの多さ。ひとまず外装保護のために保護パットを購入する。このパット購入だけでも各社から様々な種類のものが出ていた。
ヘッドフォンは付属のものではなく、既に所有している密閉式インナーイヤーのカナル型を使用する事にした。ノイズ・キャンセリング式のイヤフォン購入も考えたが、歩行使用時の安全性を考えた。
iPodでクラシックがまともに聴けるのか?iPodではどんなジャンルの音楽が適しているのか?自宅での愛機、QUAD「12L2」ブックシェルフスピーカーに加え、iPodは新たなオーディオライフをもたらしてくれるのか?モニター感覚で続編を今後レポートしていきたい。