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ハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』つながりで、やはりアンドリュー・ロイド=ウェバーの『オペラ座の怪人』も聴きたくなった(^^;
『オペラ座の怪人』には思い出がある。'97年のロンドン語学ホームステイの際に、『キャッツ』『美女と野獣』のミュージカル体験は出来たものの、『オペラ座の怪人』は現地でもチケットが入手困難で惜しくも観れないままになっていた。それが'05年冬に日本でも映画化、ついにあの名作を映画のスクリーンで初めて体験する事になる。ゴシック・ホラー的な作品とばかり思っていたが、これだけ感動させてくれる映画に出会ったのは久しぶりだった。
その感動を支えたのはやはりウェバーの音楽。『オペラ座の怪人』といえば有名なのは「ファントムのテーマ」や「THE MUSIC OF THE NIGHT」だが、他にも琴線に触れるナンバーが多くある事に気づかされた。その後サントラ、DVDボックスセットも購入し、自分自身にとって思い出に残る作品の一つになった。今回は、印象に残った2曲のナンバーをエントリーしたい。

アンドリュー・ロイド=ウェバー制作・脚本・作曲、ジョエル・シュマッカー監督 
○『オペラ座の怪人』オリジナル・サウンドトラックより
  (アビー・ロードスタジオ他にて収録、ソニー・クラシカル国内盤)

・「ALL I ASK OF YOU」
・「MASQUERADE」


「ALL I ASK OF YOU」は映画の中で、一番印象に残った曲。クリスティーヌ役を演じるエミー・ロッサムとラウル役を演じるパトリック・ウィルソンによるデュエットで、極上のラヴソングを聴かせてくれる。映画化にあたり、'86年のオリジナルキャストを超えるキャスティングを制作サイドは意識していたはずで、クランクインの7ヶ月前から何度もオーディションを重ねたという。実際、彼らの美しい歌声を聴くと、まさにウェバーの狙い通りのキャストだった事が窺われる。
ちなみにオリジナルキャストでクリスティーヌ役を務めたサラ・ブライトマンは、このミュージカルを機に一躍世界のトップスターに躍り出た。大ヒットした「Time To Say Goodbye」では盲目の歌手、アンドレア・ボチェッリと共演し、日本では以前JALのCMでもオンエアされていたのが記憶に新しい。'86年のミュージカル開幕前から、サラ・ブライトマンとウェバーは結婚生活を一時期送っていた事もあり、「ALL I ASK OF YOU」は二人の関係にも置き換えられるような、愛に包まれた曲となっている。
なお、DVDボックスセット(コレクターズ・エディション:初回生産限定版)には特典映像が収録されており、その中にジャパンプレミアムにおけるエミー・ロッサムとパトリック・ウィルソンによる「ALL I ASK OF YOU」がウェバーのピアノ伴奏でライヴ収録(画像下)されており、実に貴重だ。
一方、「MASQUERADE(マスカレード)」は先日のハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』のワルツを想起させる絢爛豪華な曲。今回のサントラは通常は28人編成でのオケで録音にあたったが、感情のドラマが必要なシーンでは100名近いフルオーケストラで臨んだという。「MASQUERADE」はそんな編成が活かされ、合唱も加わって圧倒的なサウンドで迫ってくる。

思い出といえば、自分にとっての初めてコンサートで聴いた「オペラ座の怪人」の音楽体験は高校時代、'91年の秋に聴いたブラス・クインテットのエムパイヤ・ブラスの来日公演だった。リーダーのロルフ・スメドヴィグが、サントリーホールのパイプオルガンの重低音と共に「ファントムのテーマ」を朗々と奏でていたのが懐かしい(^^)


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