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連休明けから残業が続いてちょっとバテ気味。そんな疲労がたまる日はバロックで癒したい。そこで今宵はヴィバルディのフルート協奏曲Op.10('91年11月録音、コンセルへボウ、アムステルダムにて収録、Collinsクラシックレーベル輸入盤)を。独奏は女性フルーティスト、ジェニファー・スティントン。

彼女の詳しいプロフィールは残念ながらライナーノーツの記載がなかったが、ネットで検索すると、ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック(王立音楽院)出身のイギリス人である事が分かった。ソリストとしての活動が長いようだが、ロイヤル・フィルにもゲスト・プリンシパルとして長く在籍していたようだ。

一聴して彼女の生み出す音色にひかれた。表紙のジャケットにはちょっと美貌でモデルのような?ファッションの本人の姿が写し出されているが、演奏ではそんな派手な印象は全くない。ストリングスに溶け合み、調和する音色。しっとりとした木質の響き、とでもいうのだろうか。フルートが改めて元来木製の楽器だった事を思わせる。

伴奏はザ・シックスティーンの生みの親、ハリー・クリストファーズ指揮するコンセルトヘボウの室内管弦楽団。この団体も詳細についてはよく分からないのだが、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(現ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)の奏者からなる団体と思われる。録音会場は地元のアムステルダム・コンセルトヘボウを使っている事もあり、やはり木質のしっとりする響きがよく録れている。イギリスのレーベル、Collinsクラシックがイギリス国外の録音にも積極的だった事を伺わせる意欲盤だ。

Collinsクラシックは元々出版業の老舗だけに、安定したアルバムの供給も可能だと思われていたのだが、いつの間にか廃盤レーベルとなってしまった事が今更悔やまれる。その後はResisという廉価レーベルが音源を引き継いでいるがまたいつの日か復活を望みたい。


《参照マイブログ》
Collinsクラシックレーベルの管楽器奏者による協奏曲録音
廃盤CDとの幸運な?出逢い:その②~バリー・タックウェルのホルン協奏曲~