10月18日、一年ぶりとなる母校のOB吹奏楽団の演奏会へ。会場は前年の杉並公会堂とは所変わって、三鷹市公会堂で開催。記憶に間違いがなければ、現役時代に、当時のOBの先輩たちの演奏会で行った事のある会場だ。家族連れでの来客が多いからだろう、ポピュラーステージからスタート、というのが最近のステージ構成の定番となってきているようで、工夫を凝らした選曲となっており、今回も思う存分楽しませてくれた。
プログラムは以下の通り。
(第一部)
○HERO~Main title(服部隆之)
○ニュー・シネマ・パラダイス(A.モリコーネ、E.モリコーネ)
○「ラピュタ」~キャッスル・イン・ザ・スカイ~(久石譲)
○ミュージカル「エリザベート」(M.クンツェ、S.リーヴァイ)
(第二部)
○エル・カミーノ・レアル(A.リード)
○I will...(清水大輔)
○長く白い雲のたなびく国“アオテアロア”(P.スパーク)
第一部はドラマ、洋画、アニメと、様々なメディアを通じて親しんできた聴き馴染みのある曲ばかり。お気に入りの「ニュー・シネマ・パラダイス」が含まれていたのも嬉しかった。「エリザベート」は1992年にウィーンで封切りされたミュージカルで、オーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベートの生涯を描いたストーリーだという。ミュージカル曲を聴くのは初めてだったが、第一部の締めくくりにふさわしく、吹奏楽で聴いても実に聴き応えのあるアレンジだった。
第二部は吹奏楽のオリジナル作品で、新旧の名曲を散りばめたステージ。「エル・カミーノ・レアル」はこれまでも実演に接してきたが、やはり何度聴いても名曲だなあ、と思う。闘牛が突っ込んでいくような勢いのあるテンポ感が何といってもたまらない。昔から西高ブラスはリード作品を得意としていて、ほとばしる熱いパッションが西高のカラーにも実によく似合っていた。
今や亡きアルフレッド・リードが、自分の現役時代にはまだ活躍していたと思うと、時代の変化を感じるものだ。吹奏楽というジャンルの特性を活かし、数々の名曲を生み出したリードの作品は、色褪せることはないだろう。今後も吹奏楽の神様であり続けるに違いない。
一方の清水大輔の「I will...」は、人気邦人作曲家の作品。最近は邦人作曲家の活躍によって、愛奏される曲も増えているようで嬉しい。昨今の日本の吹奏楽ブームの反映もあるのだろう。
この日のメインとなるフィリップ・スパークの「長く白い雲のたなびく国“アオテアロア”」はどこかで聴いた事がある曲だな・・・と思っていたら、オリジナルである金管バンド盤を所有していることに気付いた。演奏はピーター・パークス指揮のウィリアム・フェアリーバンド。チャンピオンバンドに輝いたこともある金管バンドだけに実に巧い。スパーク節ともいえる作風は、現役時代に演奏した「ジュビリー序曲」ともかぶるものがあり、どこか懐かしい。この日の西高OB吹奏楽団は見事な名演を聴かせてくれた。
嬉しかったのはアンコールのラストで演奏されたホルストの「第一組曲」~第3曲のマーチ。自分自身、現役時代の高校2年時の文化祭のステージで演奏した時の感動が蘇る。吹奏楽の古典的名曲だけに、現役、OBの誰もが、一度は接した曲に違いない。
今回の演奏会には昨年と同じフルート、ホルン、パーカッションの同期3人が出演。ホルンのI君は、宇都宮から参加。少ない練習時間の中でここまでのレベルに上げるのは並大抵ではなかっただろう。また、トランペットセクションには当時パートリーダーでお世話になったW先輩の姿も。
今年OBの仲間入りを果たした現役との年の差は16!時は経っても西高スピリッツは今も変わっていない事を誇りに思いたい。