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秋晴れの午後、母校の都立西高OB吹奏楽団の定期公演に行く。3年連続の鑑賞となる今年は、昨年の三鷹公会堂での公演と違い、ホームグラウンドの杉並公会堂に会場を戻しての公演。改修前の旧杉並公会堂とは、やはり比べ物にならない程、素晴らしい音響で、在京オケの一つ、日本フィルがフランチャイズ拠点とする理由もよく分かる。本年のプログラムは以下の通り。

①ジャパニーズ・グラフィティⅩⅡ(星出尚志編曲)
②オリエンタル・ウィンド(久石譲)
③ガーシュウィン!(ガーシュウィン)
④スクーティン・オン・ハードロック(ホルジンガー)
(休憩)
⑤トッカータ・マルチアーレ(ヴォーン・ウィリアムズ)
⑥ロマネスク(スウェアリンジェン)
⑦「GR」よりシンフォニック・セレクション(天野正道編曲)
(アンコール)
ありがとう(いきものがかり)
スーパーマリオブラザーズ


団塊ジュニア世代には懐かしい、「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」のメドレーが詰まったノリのいい①でスタート。②は、サントリー「伊右衛門」のCMでお馴染みのテーマ曲。
第1部最大の聴き所は、ホルジンガーの④。現役時代、ホルジンガーの「ヘイブン・ダンス」を演奏したのが懐かしく、ホルンが雄叫びをあげるホルジンガー節も健在。疾走するテンポ感と共に、ジャズ要素にも富み、西高ブラスのカラーに実にマッチする選曲だと感じた。

第2部は、衣装も変えてスタート。「トッカータ・マルチアーレ」「ロマネスク」はそれぞれ高2の文化祭と、定期演奏会で取り上げた曲だけあって、現役時代が目の前に蘇る。特に、讃美歌のように美しいハーモニーが印象的なスウェアリンジェンの「ロマネスク」は、当時、選曲部会で自分が推した曲で、今から18年前に同じステージで演奏していた事を思うと、感激もひとしおだった。メインの⑦は、人気の邦人作曲家、天野正道氏によるもので、1992年に製作されたアニメ「ジャイアント・ロボ」のサントラからのセレクション。
アンコールでは、人気グループ「いきものががり」の最新ヒット曲「ありがとう」と、不朽のTVゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の2曲を披露。選曲、演奏共に素晴らしく、大盛況に終わった。

今回は同期が2名出場。同期の中では最多出場となるフルートパートのHさん、昨年に引き続き、転勤先の栃木の宇都宮から出演したホルンパートのI君は、まさにOBの鏡のような存在だ。既に卒業から20年近く経とうとしている今も、OB吹奏楽団の演奏を聴いて現役時代の熱き思いに浸れるのは、彼らの演奏に母校のスピリッツが脈々と受け継がれているからなのだろう。現役時代に演奏した曲が、OBとなって再度接する機会があるのも、OB吹奏楽団の魅力なのかもしれない。

今年から新たなOB指揮者も登場し、新風を送り込んでいるようだ。OBの一人として、これからの都立西高OB吹奏楽団の活躍を応援したい。