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先日、東京佼成ウィンド・オーケストラの実演に接したばかりだが、ブラバン世代にお馴染み、「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」のシリーズに、待望のディズニー曲ばかりが集められたコンピレーションアルバム「ニュー・サウンズ・イン・ブラス ハピネス・ベスト~ディズニー・セレクション」(ユニバーサルミュージック国内盤)がリリースされた。何が自分にとって待望だったかといえば、収録曲に「ディズニー・メドレーⅡ」が含まれていた点。(「Ⅱ」となっているのは、1981年に岩井直溥氏が編曲した「ディズニー・メドレー」がある為)以前、ディズニーメドレー特集でエントリーした際にも、自分が高校時代に演奏したこのメドレーを取り上げていたが、この音源こそ、お手本としていたオリジナル音源だった。全曲最新リマスタリングなのも嬉しい。収録曲は以下の通り。(以下の西暦は録音年及びニュー・サウンズ・イン・ブラス○○の部分)

①ディズニー・メドレー (岩井直溥編) 1981年
  ミッキーマウス・マーチ~小さな世界~ハイホー~狼なんかこわくない
  ~いつか王子様が~口笛吹いて働こう~星に願いを
②ミッキーマウス・マーチ (星出尚志編) 1987年
③メインストリート・エレクトリカル・パレード(佐橋俊彦編) 1992年
④スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(星出尚志編) 1993年
⑤ホール・ニュー・ワールド (星出尚志編) 1995年
⑥チム・チム・チェリー (熱田公紀編) 2009年
⑦ディズニー・プリンセス・メドレー (鈴木英史編) 2003年
⑧不思議の国のアリス (鈴木英史編) 2010年
⑨お砂糖ひとさじで (鈴木英史編) 2006年
⑩口笛吹いて働こう(楽器紹介のための)(真島俊夫編) 2005年
⑪小さな世界(バンドと合唱のための)(真島俊夫編) 2002年
⑫ディズニー・メドレーⅡ (佐橋俊彦編) 1989年
  ジッパ・ディー・ドゥー・ダ~スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス
  ~チム・チム・チェリー~ビビディ・バビディ・ブー~不思議の国のアリス~きみも飛べるよ
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はや四半世紀が過ぎようとしている1989年の当時、「ニュー・サウンズ・イン・ブラス1989」としてリリースされた音源の為、CDショップではもはや入手できず、中古でも発掘できなかったが、この程ようやく購入できた次第。
演奏はいつもながらにニューサウンズ風だが、これぞポップス!とでもいうべき実にノリの良いサウンドを聴かせてくれる。現役時代の演奏も、我ながらにノった演奏だったと自負しているが、東京佼成ウィンド・オケの音源を聴くと、やはりワンランク上のレベルに聴き惚れてしまう。特にトランペット・セクションのブリリアントな響きは、ゲスト・プレーヤーに数原晋氏(b.1946)が参加している事も大きく作用しているのかもしれない。
また、今更ながら素晴らしいと感じるのは佐橋俊彦氏(b.1959)によるアレンジ。メドレーならではの場面転換のユニークさに加え、オープニングやエンディングへの運び方が実に巧みだ。同アルバムには同じ佐橋俊彦氏アレンジによる「メインストリート・エレクトリカル・パレード」が収録されているが、ここでも吹奏楽から見事なエレクトリカル・サウンドを引き出している。佐橋氏自身、東京ディズニーランド5周年目(1988年頃)よりショー音楽を手がけた経歴があり、そんなキャリアが当時のアレンジにもきっと活かされたに違いない。現役時代、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」を「スーパーカリフォルニア・・・」と読み違えしてまい、周りの部員に笑いを誘っていた頃が懐かしい(笑)
なお、個人的には東京佼成ウィンド・オケの過去の音源より、「ディズニー・ファンティリュージョン」も収録して欲しかったところだが、今回は未収録だった。ジャケット画像は簡易な作りだが、アルバム解説は当時のものを転用、また、録音データも詳細に記されている点も好感が持てた。また一つ、お気に入りのディズニーアルバムが増えた。