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QUADスピーカーを購入して1ヶ月が過ぎた。日々鳴らしているだけあって、エージングも良好。今宵は専門誌でのQUADスピーカーに対する専門家の評価と、ユーザーとしての自分の所感を書留めておきたい。いずれも所有「12L2」モデルの弟分サイズの「11L2」に対する評価だが、採寸以外のスペック上の違いはない。
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○「stereo(ステレオ)」誌9月号での新製品コーナーより

「…トゥイーター領域の性能も繊細な解像度で、きれいに倍音
 スペクトラムを再生、注目できる。混濁が少なく、難題の
 バロック音楽の情報もこなすのは見逃せない。…」


「…フルートなどのなめらかな響きの転がりには聴き手を魅了
 する美音の縁取りをイメージする…空気感の爽やかな表情
 と透明度の高さは美音の響きをバックアップしてくれる…」


「…刺激性を一層抑え、より自然な音場感を聴かせる。…ジャズ
 のソロやボーカルなど演奏のエネルギーをホットに伝えると
 いうより、常に整ったバランスで、ベースは程よい厚みや弾み感
 が得られる。」


→ユーザーコメント
 オーディオ誌だけあって、専門的な用語も多いため、ここでは自分も
 イメージしやすい部分を一部抜粋した。「美音」という言葉が2回登場
 するが、まさにぴったりな言葉!
 「刺激性を一層抑え」というのも適した表現だ。どんなソースを再生して
 も耳障りなサウンドになる事がない。「自然な音場感」、これもブック
 シェルフタイプならではの強みだろう。

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○「レコード芸術」誌11月号
   ~「話題のレコードを最新のオーディオで聴く」コーナーより


11月号はB&W、QUAD、 JBLという3大ブランド同価格帯の新製品レビューという興味津々な記事だった。先日のハイエンドショーでも講演をしていたオーディオ評論家の菅野沖彦氏(以下、「菅野」と表記)と小林利之氏(以下、「小林」と表記)による対談形式でのレビューより。

(小林)「…(旧モデルに比べて)殊に顕著なのはチェンバロの音や、
     バロック・ヴァイオリンの鳴らし方が前よりもずっと生き生き
     している。」


(管野)「クォードは非常によくできたミニアチュアと言えるかも
     しれません。帯域の広い音楽を精緻な箱庭につくり上げて
     聴かすという。…」
    「私の場合は、最初にお話したとおり、"ピラミッド・バランス"
     が再生できるか」が大きな尺度でして、そうすると、断然
     クォードになります。」


→ユーザーコメント
  クラシック専門誌だけあって、「stereo(ステレオ)」誌以上に自分にも
  解しやすい表現が使われており、嬉しい。「ミニアチュア」「箱庭」という
  言葉はこのQUADスピーカーの性能をよく言い表した表現だと思う。
  スピーカーの置かれる部屋のスペースによってはデメリットにもなり得る
  言葉だが、少なく共、6畳程度の自分のリスニングスペースにとっては
  ぴったりとくる。ソースのサウンド全体像を把握しやすくなったおかげで、
  今はスピーカーだけで聴く楽しみがぐっと増えた。

オーディオ選びはそれが自分にとって 満足できるものであれば、最終的に値段は関係ないと思う。演奏に一つ一つの個性があるように、オーディオにも各社それぞれの個性がある。その個性が自分の耳にぴったりとはまった時や、自分の耳の感度を上げてくれたように感じられた時こそがオーディオの楽しみであり、醍醐味なのかもしれない。なるほど、と思った二人の会話を最後に引用しておきたい。

(小林)「どれを選ぶかで、その人の今後のCDの聴き方、選び方
    まで変わってくると思うんです。その辺は再生装置の恐ろ
    しさかもしれません。
    その人の趣味の根本を変えてしまうことさえある。」

(管野)「…どれが良い、悪いということではなくて、同じような価格、
    同じようなサイズのスピーカーにおいても、これだけ違った
    音楽表現があるんだという現実を知っていただければいいと
    思っています。」