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名曲「Share My York」(シェア・マイ・ヨーク)に関連して、名旋律を奏でるトランペットソロ曲をこの機会にエントリーしたい。それは「トランペットラブレター」という曲。アルバム「トランペットラブレター」に収録(2012年11月録音、ダッチママスタジオにて収録、SUPERKIDS RECORDS国内盤)。タイトルからして甘いイメージのある曲だが、個人的にはルロイ・アンダーソンの「トランペット吹きの子守歌」や、ニニ・ロッソの「夜空のトランペット」的なテイストを感じさせる、ロマンティックさと優しさを兼ね備えた心温まる名曲だと思う。
演奏はズーラシアンブラスでファーストトランペットを担当するインドライオン。ズーラシアンブラスは、横浜市の動物園「ズーラシア」に所属するブラス・クインテットで、動物に扮した奏者達が演奏するユニークな楽団。そんな意表性も手伝って、多くの人々の支持を受けている。これまでに様々なアルバムをリリースしており、ブラスを世の中に普及してくれた功績も大きい。

インドライオンが吹く姿はジャケット画像の夕暮れのシーン(撮影地が伊豆の恋人岬というのもニクイ演出!)そのものだと思うが、まさにさすらいのトランペッターだ。ジャケットの解説に実際のトランペット奏者名が表記されているが、この曲は岩渕重紀氏が演奏。トランペットでありながら、フリューゲルホルンのような太く温かみのある音がメロディに実にマッチしており、ハートフル。どこか人を酔わせるムーディーな側面も持っている。こんな甘い音が出るのを聴いたら、どんな動物も一聴惚れしてしまうだろう。見た目のイメージとのギャップにも驚かされてしまう。
テクニック的には高音域のロングトーンが必要とされるエンディングが待っており、個人的には「Share My York」よりも難しいと思う。

作曲はズーラシアンブラスの専属作曲家でもある石川亮太氏。個人的には「Share My York」と共に、いつか吹きたい曲の上位ランキングに入る曲で、こんな曲が自分も意のままに吹けたら、と思う。そんないつかの為に楽譜も購入している。トランペット吹きなら一度挑戦してみたいものだ。
なお、アルバム全体の収録曲は以下の通り。他の曲はカバー曲だがいずれも日本を代表するトランペット奏者による素晴らしい演奏と編曲であることを特筆しておきたい。

1. おぼろ月夜
2. What a wonderful world ~この素晴らしき世界~
3. 浜辺の歌
4. Stardust
5. Aura Lee
6. もののけ姫
7. 紅葉
8. 大きな古時計
9. Aranjuez ~恋のアランフェス~
10. 愛の讃歌
11. 言葉にできない
12. Theme from “Star Trek”
13. Trumpet Love letter
14. Trumpet Love letter (Minus One) (BONUS TRACK)

(トランペット&フリューゲルホルン)
3.10 上田 仁
1.5.9 長谷川智之
2.6.7.11.12.13 岩渕重紀
4.8 佐藤友紀