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日曜日の昼下がり、アマチュアオーケストラの演奏会を聴きに行ってきた。保土ヶ谷コミュニティオーケストラという横浜市保土ヶ谷区の区民オーケストラ。モーツァルトの「交響曲39番」とドボルザークの「交響曲第7番」という好プログラムを当日1000円という料金で横浜随一のみなとみらいホールの音響にも浸れるのが嬉しい。アマチュアならではの熱い演奏を聴かせてくれるコンサートに最近好んで行っている。先日も同みなとみらいホールで聴いた横浜ブラスオルケスターの演奏会が記憶に新しい

意外?だったのは来場者が老若男女で賑わっていた事。日曜日で行楽も楽しめるみなとみらい地区ならではの現象だけとは思えず、今回で定期演奏会も18回目という事で区民と共に築き上げてきた歴史を感じさせる。

指揮者は西田 博氏。'89年から'94年までは東京交響楽団のコンサートマスターを歴任、'76年にはヴォルフガング・サヴァリッシュに推挙されバイエルン州立歌劇場管弦楽団の副首席奏者を務められていたという。

曲はブラームスの「悲劇的序曲」からスタート。全体的には特にストリングスセクションは奏者の経験年数や熟練度によって運指やピッチ等の影響を受けやすいと感じた。でもアマオケに期待したいのはそういうテクニカルな問題ではなく、奏者一人一人の音楽への思い、熱いハートだと思っている。

モーツァルトの「交響曲39番」は3楽章辺りからオケがノッてきた。クラリネットとフルートの掛け合いが美しい。クラリネット奏者の即興的な吹きぶりにも好感が持てた。
メンバーは特に弦パートに定年後の世代と思われる方が意外と多く見受けられ、同じアマチュアながらも若い世代で固まる傾向のある吹奏楽とはひと味違っていた。

実演で初めて聴いたドボルザークの「交響曲第7番」はさすがにメインプログラムだけあって一楽章から勢いのある演奏を展開。4楽章の最後の渾身のクライマックスの後は、ブラボーの歓声も飛び交う熱気に包まれていた。

アンコールはシューベルトの「ロザムンデ間奏曲」。ドボルザークとは違う、一つ一つのメロディーを慈しむように指揮する姿が印象的だった。

これは偶然に違いないが、今年の熱狂の日のテーマはドボルザークを含む「民族のハーモニー」。そして来年はシューベルトがテーマだという。来年への架け橋にも見えた。

アマオケは昨年ののだめ効果(のだめは学生オケだったが…)もあって、昨今市民のクラシックへの関心度も高まってきているように感じる。オケ名に「コミュニティ」を冠するだけに、今後も市民と共に成長するオケであってほしい。

余談だが団員の方が書かれたプログラムは色々と勉強になった。モーツァルトの39番はオーボエが用いられてない事や、ドボルザークには「フリアント」と呼ばれるチェコの民族舞曲独特のリズムの存在、更には「ドヴォルジャーク」と表記した方がよりチェコ語に近い事等。実演に接する事で学ぶ事ってたくさんあるなぁ(^^;
(画像はGW帰省中に撮影したツツジの一群)


<参照マイブログ>
モーツァルト:交響曲第39番
男性的なモーツァルト~サー・ゲオルグ・ショルティの交響曲第39番~