先日、NHKで放送された「外出自粛の夜に オーケストラ・孤独のアンサンブル」を観た。在京オーケストラの奏者が7名登場し、今の心境を語ると共に、各々在宅でソロ演奏を披露。個人的に印象に残ったのは東京都交響楽団のソロ・コンサートマスターを務める矢部達哉氏。「(コロナの後は)音楽がこれまでと違う価値を持って響いてくれると信じて」と語り、フランスの作曲家マスネの「タイスの瞑想曲」を演奏。部屋からヴァイオリン一本で奏でられた姿は孤独に映ったが、そこで演奏された瞑想曲は実に崇高で、心に響いた。
折しも本日5月12日はマスネの生誕日。今回、印象に残った「タイスの瞑想曲」をこだクラで所有するオーケストラ及び室内オケの伴奏による音源で振り返ると共に、コロナの一日も早い終息と、オーケストラの演奏活動への復帰を願いたい。
■ロビン・ステープルトン指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
(1989年8月録音、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドンにて収録、ビクター国内盤、ジャケット画像上段左上)
国内企画のアルバム「珠玉のオーケストラ名曲集」に収録。ヴァイオリンはロイヤル・フィルの当時のコンマスだったディヴィド・タウス。美しい演奏だが、ややマイクが遠めなのか、ヴァイオリンの音色が細く聴こえるのが惜しい。ロビン・ステープルトン(b.1947)は英国オペラ畑出身のイギリスの指揮者。(ハープによるイントロ有、合唱無、演奏時間5:34)
■ミシェル・プラッソン指揮 フィルハーモニア管弦楽団
(1988年11月録音、ワトフォード・タウン・ホール、東芝EMI国内盤、ジャケット画像上段中)
こちらも国内企画盤でアルバム「ポプリ・クラシック」に収録。ロイヤル・フィル盤よりこちらの方が約1年早い録音となっている。オペラとコンサートの両面で活躍をしていた著名なフランスの指揮者、ミシェル・プラッソン(b.1933)がタクトをとったという話題性も。ソロ・ヴァイオリンの明記はないが、当時のフィルハーモニア管のコンマスと思われる。みずみずしく奏でられており、録音・演奏共に今回エントリーした中でのスタンダードとなる音源。(ハープによるイントロ有、合唱無、演奏時間5:38)
■IAN WESTRIP指揮 フィルハーモニア管弦楽団
(1993年4月録音、ブラックヒース・コンサート・ホールにて収録、IMP海外盤、ジャケット画像上段右)
アルバム「OPERA INTERMEZZI」に収録。元ロンドン・フィルのコンマスで、過去に読響での実演に接したこともあるデヴィッド・ノーランがヴァイオリン・ソロを担当している。当時はフィルハーモニア管のコンマスに就任していたようだ。ソリスト経験の豊富なノーランらしい手慣れたソロを聴かせてくれるが、同じフィルハーモニア管での比較では、みずみずしさを感じるプラッソン盤が個人的な好み。IAN WESTRIPは英国生まれオーストラリアの指揮者。イングリッシュ・ナショナル・オペラの合唱指揮者で、本盤はフィルハーモニア管のデビュー盤でもあった。(ハープによるイントロ無、合唱無、演奏時間5:04)
■ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮 アルスター管弦楽団
(1989年6月録音、CHANDOS海外盤、ジャケット画像中段右)
アルバム「Violin Favourites」に収録。プラッソンと同じフランスの指揮者ヤン・パスカル・トルトゥリエ(b.1947)が1989-1992年まで首席指揮者を務めたアイルランドのアルスター管弦楽団との共演版。アルバムタイトル通り、ここではヴァイオリニスト兼指揮者として手腕を振るっている。ヴァイオリニストとしての確かな実力だけでなく、この曲の持つドラマ性も見事に表現。後半、ホルンの盛り上がりも素晴らしい。合唱(共演:ルネサンス・シンガーズ)も入る本格版。今回エントリーした音源の中でのマイベスト盤の一つ。(ハープによるイントロ有、合唱有、演奏時間4:40)
■ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮 BBCフィルハーモニック
(1999年録音、ニュー・ブロードキャスティング・ハウス、マンチェスター にて収録、CHANDOS海外盤、ジャケット画像中段中)
アルバム「FRENCH BONBONS」に収録。上述のアルスター管の首席指揮者を務めたヤン・パスカル・トルトゥリエがその後1992-2002年まで首席指揮者を務めたBBCフィルとの共演。ヴァイオリン・ソロはBBCフィルのコンマスのYuri Torchinsky。ヴァイオリンはよく歌っており、みずみずしい響きはするが、上述のトルトゥリエ盤を聴いた後だとやや小粒に感じてしまった。後半には合唱(共演: ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック合唱団)も入っている。(ハープによるイントロ有、合唱有、演奏時間4:44)
■シルヴィオ・ヴァルヴィーゾ指揮 シュターツカペレ・ドレスデン
(1983年12月録音、PHILIP海外盤、ジャケット画像中段左)
アルバム 「OVERTURES & INTERMEZZI」に収録。今回エントリーした中では最も古い録音。ヴァイオリンは当時シュターツカペレ・ドレスデンのコンマスだったPeter Mirringが担当。美しいソロを聴けるが、ややデッドな音場でやや臨場感に欠けるのが惜しい。
折しも本日5月12日はマスネの生誕日。今回、印象に残った「タイスの瞑想曲」をこだクラで所有するオーケストラ及び室内オケの伴奏による音源で振り返ると共に、コロナの一日も早い終息と、オーケストラの演奏活動への復帰を願いたい。
■ロビン・ステープルトン指揮 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
(1989年8月録音、ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドンにて収録、ビクター国内盤、ジャケット画像上段左上)
国内企画のアルバム「珠玉のオーケストラ名曲集」に収録。ヴァイオリンはロイヤル・フィルの当時のコンマスだったディヴィド・タウス。美しい演奏だが、ややマイクが遠めなのか、ヴァイオリンの音色が細く聴こえるのが惜しい。ロビン・ステープルトン(b.1947)は英国オペラ畑出身のイギリスの指揮者。(ハープによるイントロ有、合唱無、演奏時間5:34)
■ミシェル・プラッソン指揮 フィルハーモニア管弦楽団
(1988年11月録音、ワトフォード・タウン・ホール、東芝EMI国内盤、ジャケット画像上段中)
こちらも国内企画盤でアルバム「ポプリ・クラシック」に収録。ロイヤル・フィル盤よりこちらの方が約1年早い録音となっている。オペラとコンサートの両面で活躍をしていた著名なフランスの指揮者、ミシェル・プラッソン(b.1933)がタクトをとったという話題性も。ソロ・ヴァイオリンの明記はないが、当時のフィルハーモニア管のコンマスと思われる。みずみずしく奏でられており、録音・演奏共に今回エントリーした中でのスタンダードとなる音源。(ハープによるイントロ有、合唱無、演奏時間5:38)
■IAN WESTRIP指揮 フィルハーモニア管弦楽団
(1993年4月録音、ブラックヒース・コンサート・ホールにて収録、IMP海外盤、ジャケット画像上段右)
アルバム「OPERA INTERMEZZI」に収録。元ロンドン・フィルのコンマスで、過去に読響での実演に接したこともあるデヴィッド・ノーランがヴァイオリン・ソロを担当している。当時はフィルハーモニア管のコンマスに就任していたようだ。ソリスト経験の豊富なノーランらしい手慣れたソロを聴かせてくれるが、同じフィルハーモニア管での比較では、みずみずしさを感じるプラッソン盤が個人的な好み。IAN WESTRIPは英国生まれオーストラリアの指揮者。イングリッシュ・ナショナル・オペラの合唱指揮者で、本盤はフィルハーモニア管のデビュー盤でもあった。(ハープによるイントロ無、合唱無、演奏時間5:04)
■ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮 アルスター管弦楽団
(1989年6月録音、CHANDOS海外盤、ジャケット画像中段右)
アルバム「Violin Favourites」に収録。プラッソンと同じフランスの指揮者ヤン・パスカル・トルトゥリエ(b.1947)が1989-1992年まで首席指揮者を務めたアイルランドのアルスター管弦楽団との共演版。アルバムタイトル通り、ここではヴァイオリニスト兼指揮者として手腕を振るっている。ヴァイオリニストとしての確かな実力だけでなく、この曲の持つドラマ性も見事に表現。後半、ホルンの盛り上がりも素晴らしい。合唱(共演:ルネサンス・シンガーズ)も入る本格版。今回エントリーした音源の中でのマイベスト盤の一つ。(ハープによるイントロ有、合唱有、演奏時間4:40)
■ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮 BBCフィルハーモニック
(1999年録音、ニュー・ブロードキャスティング・ハウス、マンチェスター にて収録、CHANDOS海外盤、ジャケット画像中段中)
アルバム「FRENCH BONBONS」に収録。上述のアルスター管の首席指揮者を務めたヤン・パスカル・トルトゥリエがその後1992-2002年まで首席指揮者を務めたBBCフィルとの共演。ヴァイオリン・ソロはBBCフィルのコンマスのYuri Torchinsky。ヴァイオリンはよく歌っており、みずみずしい響きはするが、上述のトルトゥリエ盤を聴いた後だとやや小粒に感じてしまった。後半には合唱(共演: ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック合唱団)も入っている。(ハープによるイントロ有、合唱有、演奏時間4:44)
■シルヴィオ・ヴァルヴィーゾ指揮 シュターツカペレ・ドレスデン
(1983年12月録音、PHILIP海外盤、ジャケット画像中段左)
アルバム 「OVERTURES & INTERMEZZI」に収録。今回エントリーした中では最も古い録音。ヴァイオリンは当時シュターツカペレ・ドレスデンのコンマスだったPeter Mirringが担当。美しいソロを聴けるが、ややデッドな音場でやや臨場感に欠けるのが惜しい。
指揮者のシルヴィオ・ヴァルヴィーゾ(1924-2006)はスイス出身でオペラ畑の指揮者。後半の合唱はドレスデン国立歌劇場合唱団のメンバーが担当。(ハープによるイントロ無、合唱有、演奏時間5:13)
【室内オケ】
■ポール・トルトゥリエ指揮 イギリス室内管弦楽団
(1987年録音、アビー・ロード・スタジオにて収録、Virgin Classics海外盤、ジャケット画像下段右)
アルバム 「FRENCH IMPRESSIONS」に収録。指揮を務めるポール・トルトゥリエ(1914-1990)は上述のヤン・パスカル・トルトゥリエの父親であり高名なチェリスト。偶然だが、今回エントリーした8音源中、3つが、トルトゥリエ親子の音源で占められていた。ヴァイオリン・ソロはイギリス室内管のコンマスである、ホセ=ルイス・ガルシアが担当。
【室内オケ】
■ポール・トルトゥリエ指揮 イギリス室内管弦楽団
(1987年録音、アビー・ロード・スタジオにて収録、Virgin Classics海外盤、ジャケット画像下段右)
アルバム 「FRENCH IMPRESSIONS」に収録。指揮を務めるポール・トルトゥリエ(1914-1990)は上述のヤン・パスカル・トルトゥリエの父親であり高名なチェリスト。偶然だが、今回エントリーした8音源中、3つが、トルトゥリエ親子の音源で占められていた。ヴァイオリン・ソロはイギリス室内管のコンマスである、ホセ=ルイス・ガルシアが担当。
甘美さと高貴さを持ち合わせた美しい演奏。とにかくヴァイオリンの響きが美しい。こちらも今回エントリーした中でのマイベスト盤の一つ。(ハープによるイントロ無、演奏時間5:22)
■カメラータ・ベルン
(1990年6月録音、ラショードフォン、スイスにて収録、NOVALIS国内盤、ジャケット画像下段左)
アルバム「クラシック ハイライト」に収録。14名の奏者による小編成での演奏で、ハープや合唱は登場しない。コンマスを務めるトーマス・フューリのヴァイオリン・ソロが本盤でもよく歌っており、存在感のある響きがする。
(ハープによるイントロ無、合唱無、演奏時間5:02)
■カメラータ・ベルン
(1990年6月録音、ラショードフォン、スイスにて収録、NOVALIS国内盤、ジャケット画像下段左)
アルバム「クラシック ハイライト」に収録。14名の奏者による小編成での演奏で、ハープや合唱は登場しない。コンマスを務めるトーマス・フューリのヴァイオリン・ソロが本盤でもよく歌っており、存在感のある響きがする。
(ハープによるイントロ無、合唱無、演奏時間5:02)