ノウゼンカズラの廃工場から南東へ少し山を下った川沿いに、その工場はあった。

対岸から見渡す限りの巨大工場。あまりの規模にしばし、我を忘れて見入っていた。

操業開始は明治時代。繊維の町で、時代を牽引してきた立役者といっても過言ではないだろう。

世界にも目を向け、業界に先駆けて東南アジアに技術提供もしていた。

まさか、彼らの織物に淘汰されていくとも知らずに。

膨れ上がった負債はとどまることを知らない。

その身に余る巨大工場に、会社は押しつぶされた。

一つの時代の終わり、その足音を肌で感じながら、私はその場を後にした。

 

訪問日:2025/8/23

廃墟歴:18年(2007年操業休止、2016年破産宣告)