AbemaTVの恋愛リアリティショーが好きで、よく観ています。

自分では多分もう一生経験しないであろう恋愛模様を、

やいのやいの言いながら観るのがとっても楽しいのです。

 

最近始まった『こじらせ森の美女』もそのひとつ。

これまでの恋愛で何かを「こじらせて」しまった美女たちが、

素敵な男性たちと出会って恋をしたりしなかったりする番組です。

 

その番組内で、重要なアイコンとして登場するのがとある猫。

時々登場して画面に華を添えたり、出演者に手紙を渡したりするのです

(正確には首輪にくくりつけられているのですが)。

 

とっても可愛いこの黒猫さん、

エキゾチックショートヘアという人気の品種ですね。

犬で言えばパグ的な存在でしょうか。

潰れたような鼻がチャーミングで、どこか人間の赤ちゃんを思わせます。

 

さて、確かに可愛いのですが、

出てくるたびにすこし複雑な感情を覚えるのが正直なところ。

というのも、先日「ねことペットショップ」という記事で書いた

スコティッシュフォールドと同じように、

人間のエゴによって病気を持ちながら交配を繰り返されている品種だからです。

 

鼻ぺちゃのエキゾチックショートヘアは短頭種と呼ばれるように、

一般的なねこよりも頭蓋骨が丸くなっています。

そしてこの特徴的な骨格のせいで、かかりやすい病気があるのです。

 

ひとつは流涙症。

ペルシャやエキゾチックショートヘアの中には、

常に涙目になっている子がいますね。

これは、重度な短頭の骨格を持つことにより

涙を排出する機構が変化してしまっているためです。

 

つまり、鼻と目の距離が近すぎて、

ふつうは目から鼻腔へとスムーズに排出される涙が排出されにくくなり、

目に溜まってしまうのです。

 

また、短頭種気道閉塞症候群というのも知られています。

鼻が低すぎるために空気の通り道、つまり気道が塞がれてしまい、

呼吸がしづらくなります。

 

よくペルシャやエキゾチックショートヘアは

温厚な性格だとか言われていますが、

鼻の低いねこがあまり活発に動かないのは、

この呼吸のしづらさが原因であるとも言われています。

 

他にも角膜の感受性が低下したり、

摂食が困難になったりといった問題があります。

ちなみにドイツでは、重度の短頭種の猫の交配は禁じられているそうです。

 

姿形がすこし変わっているねこを、

可愛いと思ってしまうのは仕方ありません。

でも、好きだからこそ、ペットショップなどからお迎えする前に、

よく考えてほしいと思います。

 

さらに問題なのは、影響力のあるメディアがただ可愛いだけの存在として

彼らを取り上げることで、視聴者が「ああいう猫を飼いたい」と思ってしまうこと。

AbemaTVには中高生の視聴者も多いので、

できればもう少し配慮をしてほしかったところです。