高知移籍後重賞9勝、遠征でも重賞勝ちを複数達成、峠を越えたと思われた高齢元中央オープン馬が鮮やかに甦り、高知競馬の看板馬となったエプソムアーロン。しかし12歳となってさすがに衰えが顕著となり引退を迎えることとなった最終戦。それ以前に遠征でも活躍し看板を張った馬の何頭かは引退式をやっていたものの、エプソムアーロンについては引退式はせず、代わりに最終戦後に勝ち負けに関わらず馬場を1周してお別れをすると告知され、そして、形式的にはいち普通競走、競走名も単に「A-2」ながら副題に「エプソムアーロン ラストラン」と冠され、LED看板にその副題が表示された。引退式という形は取れないものの、できるだけのはなむけがこういう形だったのかなという主催者の気持ちは伝わった。そしてLED看板があればこその演出かなと。

 そして引退レースでエプソムアーロンは見事に1番人気に応える勝利、正直相手関係はそれほどでもなかったので貫禄を見せる形となった。そして、ゴール後はゆったりと馬場を1周。ゴール後から橋口アナによるエプソムアーロンのたどった道のりが愛情たっぷりに語られ、そして、スタンド前で声援を送るファンとその前を通り過ぎるエプソムアーロンの姿が最後まで中継映像で映し出されていた。

 橋口アナの語りという演出のおかげではあるけれど、ラストランの1周は十分引退式に値する時間だったなと、この一連は1年半近くたった今でも結構鮮明に覚えてます。