皆さんこんにちは。先日久しぶりのサバゲーが出来て楽しかったチュスです。
今回は初速が30程度しか出ていないとのことで、修理依頼を頂きました。修理ついでにOHも実施致しました。
AGM MP40 電動ガン
こちらの電動ガン、開けてびっくり玉手箱状態でした。今回は画像が多いので長い記事になります。
目次
・分解・各部確認
・原因調査
・修理・オーバーホール
・組み上げ・初速確認
・最後に
分解・各部確認
分解方法等は割愛しますが、分解中に気になるところが多々ありました。
まずはアッパー・バレル・グリップを外したところ。
グリップ下部に電源スイッチがあるのですが、
熱収縮チューブは入っているものの、加熱されておらず端子部分がむき出し。ショートする恐れがあります。
ロアレシーバーからメカボックスを取り出します
メカボックスケース下部が茶色いです。表面もガサガサになっています。で、スイッチ部分の端子なんですが
熱収縮チューブが片方しか入っていません。こちらもショートする恐れがあります。
ネジが反対側にあるのでメカボックスをひっくり返しますが
うーん、茶色い。モーター、トリガーから伸びている針金を取り外し、メカボックスのネジを外します
メカボックスを開きます
まっ茶色ですね。パーツ類を全て外します。
なかなかに酷い状態です。この茶色いの、全てグリスです。かなり雑に塗られています。また、かなり粘度の高いものが使用されているようです。
ピストン・シリンダー周りを確認していきます。
シリンダーヘッド、樹脂部分が分かりづらいですが油が抜けてガサガサになっています。
シリンダー内部、ギトギトになっています。グリスも真っ黒になっています。
ピストンにクラックが入っています。また、こちらも油が抜けてガサガサになっています。
シーリングノズル・タペットプレートそれぞれの写真を撮り忘れていました。どちらも油が抜けてガサガサになっています。
ギア、逆転防止ラッチを確認します。
グリスが真っ黒になっています。摩耗は特に見られませんでした。
原因調査
AGMのMP40ですが、初速調整の為か個体によってはスプリングがカットされていたり、ノズルに穴が空けられているものがあるようです。
今回お預かりしたものは特にそれら加工が見られないため、他の原因が考えられます。
アッパーレシーバーを取り外し動作確認を行った際に、ノズル付近でエアの出方に違和感があったのでシリンダーヘッド周りを重点的に確認していきます。
シーリングノズルは油が抜けて表面がガサガサになり、クラックが入っています。シリンダーヘッドのノズルは分かりづらいですが右側が変形しており、真円になっていません。
恐らくこの部分からエアが漏れ、チャンバーへ送られるエア量が減ったため初速が落ちたのだと思われます。
こうなった原因ですが、
1.メカボックス内のパーツに塗られているグリスが適切なものでない (プラスチックへの攻撃性が高いものが使用されており、経年によりプラスチック内部の油が抜け劣化した)
2.製造、もしくは組み上げ時に破損したパーツを使用した
などが考えられます。
原因が判明したので、破損・摩耗している部品の交換を行います。また、分解ついでにオーバーホールを実施していきます。
修理・オーバーホール
摩耗している樹脂パーツ類の代替品を用意します。
代替品が用意出来ず再使用する樹脂パーツ類は清掃後、シリコンオイルに漬け込みます。
オイルに漬け込んだ後。表面のガサガサは幾分マシになりました。
各パーツの清掃を行います。
ギアに付着しているグリスを落としました
ケースの内部・外部のグリスを落とし、グリスの付着後は研磨して落としました
各パーツの清掃が終わりましたら、グリスアップを行います。
ギア周りはベルハンマーゴールドNo.2を、タペットプレート・ピストン周りには信越シリコーンG-501を使用しました。
(ギア、ピストン周りの写真は撮り忘れていました)
ここから組み上げを行うのですが、スプリングガイドにバリが見られたので落とします。
各パーツをメカボックスに収めます。
メカボックスの作業が完了したので、ロアレシーバーに組み込みます。
処理がされていなかった配線には熱収縮チューブを入れておきます。
これでショートする危険性は低くなりました。
セミ・フル切り替えのセレクター裏にはクリック感を出すために小さなスプリングと樹脂製のパーツが入っているのですが、特に固定等されておらず使用中に脱落する恐れがあったので、接着剤で固定しておきます。
写真撮り忘れていますがこれにてロアレシーバー周りは作業完了となります。
続いてバレル・チャンバー周りの作業を行っていきます。
バレルからインナーバレル・チャンバーユニットを取り外します。
チャンバーユニットですが、接着剤で強固に固定されており分解が出来ないようになっていました。
パッキン等を交換する場合はスタンダード電動ガンのチャンバーユニットを移植する必要がありそうです。
インナーバレル内部を清掃・研磨します。
パッキンには外側からシリコンスプレーを吹き付け注油しておきます。
作業が終わりましたらバレルに組み込みます。これにてオーバーホール作業完了となります。
後半写真の撮り忘れが多くて申し訳ないです。
組み上げ・初速確認
動作確認を行い、ノズル付近からのエア漏れは無くなりましたので、バレル・ロアレシーバーを組み上げます。
マガジンにBB弾を装填し、初速チェックを行います。0.2gバイオ弾で確認を行いました。
ノンホップで80m/s~82m/s、適正ホップで76m/s~78m/s程度になりました。
今回組み込んだマルイ純正ピストンが14枚歯だった為若干低めになっています。
以前は15枚歯だったようですが、いつの間にか14枚に変わっているようですね。ギアクラッシュ回避の為でしょうか。
初速を上げる場合はスプリングのレートを上げるか、シリンダーを交換しエア量を増やしてやる必要があります。
その後弾道確認を行いましたが、チャンバー周りとパッキンが劣化しているようで、ホップを強めるとしょんべん弾が出てきました。
オーナーに確認したところ、今回はこのままで構わないとのことでしたのでこのままお渡しとなります。
最後に全体の清掃、シリコンオイルで表面保護を行い作業完了となります。
今回、MP40と同時に写真下のタナカ ルガーP08のメンテナンスも行いました。
最後に
今回お預かりしたAGM MP40ですが、雑な配線処理、適切なグリスが使用されていないことが原因での樹脂パーツの摩耗・損傷が目立ちました。(国内・台湾メーカー製のエアガンは適切なグリスが使用されていますので、普通に使用していれば概ね1万発程度はノントラブルで使用出来ます。)
国内メーカーにラインナップされていない・他メーカーに比べ安価等、海外製エアガンには魅力がたくさんありますが、分解してみると驚くような処理がされていることもあります。
エアガンはいずれはパーツ破損による故障が発生します。ですが、適切なメンテナンスを行うことにより部品の摩耗・消耗を抑えることが出来ます。
性能維持ももちろんですが、パーツの交換・本体の買い替え頻度を抑えることも出来ますので、購入してから一度もメンテナンスをしていないエアガン等ありましたら、一度メンテナンスをしてはいかがでしょうか。
今回は大変長い記事になりました。ここまでお読み頂きありがとうございます。


































