次の文を読み「192」、「193」に答えよ。
K保育所に勤務する管理栄養士である。給食施設の衛生責任者である。
9月15日13時頃、複数の入所児童が次々に腹痛を訴え、下痢の症状も出てきた。発熱はみられない。直ちに職員が保健所と体調不良児の保護者に連絡するとともに、管理栄養士は保健所の立入検査に備え、必要な書類の用意を開始した。検食を担当した職員の発症状況から、前日の昼食とおやつ、当日の昼食に、原因食品を絞り込み、摂取状況及び発症状況を調査した(表)。
表 給食の摂取状況と発症状況(単位 人)
提供時
料理名 摂取あり 摂取なし
発症 未発症 発症 未発症
9/14 鶏肉ときのこのピカタ 14 27 0 9 昼 キャベツとコーンの煮浸し 12 30 2 6
みそ汁 13 31 1 5
9/14 おやつ 豆乳ドーナツ 11 29 3 7
9/15 鮭とじゃが芋のクリーム煮 11 32 3 4
かぼちゃのマリネサラダ 10 29 4 7
30-192 食中毒の原因として、考えられる微生物である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1) ウェルシュ菌
2) 腸炎ビブリオ菌
3) カンピロバクター
4) 病原性大腸菌
正解 3)カンピロバクター
解説 すべての料理に対して下記のように2x2表を書いて、そのオッズ比を計算する。最も大きなオッズ比の料理が食中毒の原因と推測される。計算すると、鶏肉ときのこのピカタのオッズ比10が最大となる。
鶏肉ときのこのピカタ
発症 未発症
摂取あり 14 27
摂取なし 0 9
オッズ比は、14x9÷ (27x0) となるが、
0の割り算はできないので、
すべてのセルに0.5を足した表を作る。
発症 未発症
摂取あり 14.5 27.5
摂取なし 0.5 9.5
オッズ比は、14.5x9.5÷ (27.5x0.5) =10
「鶏肉ときのこのピカタ」で汚染している菌といえば、カンピロバクターである。