34-11 感染症法により、医師が診断後、直ちに保健所長を通じて都道府県知事に届け出する疾患である。正しいのはどれか。1つ選べ。2020年3月1日実施 管理栄養士国家試験より

1. 梅毒

2. E型肝炎

3. クリプトスリジウム症

4. 後天性免疫不全症候群

5. クロイッツフェルトヤコブ病

 

 

正解2. E型肝炎;4類  

食中毒の原因となるウイルスで、汚染された食品や動物の臓器や肉の生食により経口感染します。

 

解説

医師は診断後、直ちに(土日祝日を問わず24時間以内に!)保健所長を通じて都道府県知事に届け出する疾患です。1-4類の感染症を選べれば正解となります。選択肢から5類(侵襲性髄膜炎菌感染症、風しん及び麻しんは除く)を除外しても正解のE型肝炎に到達します。(感染症法に基づく医師の届出のお願い;厚労省)

 

選択肢の5類感染症(侵襲性髄膜炎菌感染症、風しん及び麻しんは直ちに届出)は全数把握で、医師が患者等を診断後、7日以内に保健所へ届出用紙を郵送します。

 

誤っている理由

 

1. 梅毒; 5類性感染症です。性感染症は「直ちに」ではないのです。

3. クリプトスリジウム症; 5類 クリプトスポリジウムのオーシストは塩素耐性で水道水を介した集団の下痢症をおこします。

4. 後天性免疫不全症候群;5類 HIVによる日和見感染症や悪性腫瘍が合併した状態です。  

5. クロイッツフェルトヤコブ(CJD)病;5類 プリオン病のことで、核酸を持たない異常プリオン蛋白が原因と考えられている伝播可能な致死性疾患です。致死性疾患ですが、こちらも「直ちに」ではありません。

 

食中毒患者が最も多いノロウイルス「感染性胃腸炎」は、定点報告対象(5類感染症)で(国立感染症研究所)「直ちに」ではありません。