蘇った海の展望・鷹取山と逆さ富士イルミネーション(土佐清水市) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[ヤブ漕ぎ無しのルートを開拓]

以前紹介した高知県土佐清水市の九輪森の北東に位置し、海軍の水上特攻・震洋基地の機銃陣地があった山の北方に聳える鷹取山(307.2m)は、拙著「土佐のマイナー山part2」の岩風呂山(288.8m)の頃で触れたように、無名峰ピークハンターたちが辿る送電鉄塔からのルートでは熾烈なヤブ漕ぎをするはめになる(現況は分からないが)

 

しかし先日、ヤブ漕ぎする必要が殆どないルートを開拓した。しかも意外なことに、MH2氏が登頂した頃は展望が悪かった山頂が近年一部伐採され、土佐湾の展望が広がるようになり、はるか彼方の室戸岬方面も見通すことができるようになっていたのである。山頂直下には海軍か陸軍か分からないが、竪穴壕もある。

 

そして下山後はいつものお楽しみ、市内の二ヶ所のイルミネーションを鑑賞したのだが、先日紹介した所以外では、三崎地区の田平公園イルミネーションに出かけた。ここのイルミは3万球で最大の売りは巨大な赤富士イルミ。側の池には逆さ富士が映る。メルヘンチックでもあり、座ることができるイルミ馬車がある他、池に浮かぶイルミ船や点滅する巨大蝶々もある。

 

鷹取山のルートは最初、拙著で紹介した加久見川支流沿いを遡る岩風呂山の復路を登る。ピークハンターたちは送電鉄塔巡視路の標柱の分岐からその道を上がるが、ヤブ漕ぎなしのルートの入口は、四度目の渡渉地のすぐ先にある。そこにある涸れ沢沿いを上がるのである。勾配がきつくなってくると南岸の植林帯に上がり、更に尾根上に移り、登って行く。

 

この尾根も傾斜がきつくなると、造林作業者が付けたと思われる踏み跡が南東に逸れて行き、一つ南の尾根に移り、やがて北東にトラバースして登り、鷹取山と274mピークの中間の鞍部よりやや北側の稜線に出る。すると大岐海岸に寄せる波の音が聞こえる。この海岸は広大な砂浜を擁すことから、おだやかな波のイメージがあったが、実はサーフィンが行える波が立つのであった。

 

稜線はヤブもなく、起伏もあまりないが、260mピークで直角に右に曲がり、痩せ尾根を過ぎると傾斜が幾分きつくなり、山頂に出る。

山頂からは大岐海岸でサーフィンを楽しむ者の姿も見える。彼方に霞んで見える細長い島影のようなものが、香南市から室戸市へと続く地形で、突端が室戸岬である。

 

山頂下の壕は竪穴壕と塹壕との合いの子のような壕。戦時中は今よりもはるかに展望が開けていたはず故、見張り所でもあったのかも知れない。

詳しいガイドとコース図は→蘇る海原の展望・鷹取山と逆さ富士イルミネーション

 

下山後の田平公園だが、一般の地図には載っていない。竜串の東方、国道の三崎バス停のある信号交差点を北に折れる。確か、通学路か何かの黄色い縦長の看板のある分岐を右折した所に公園の駐車場があったように思う。

 

シンデレラが乗る馬車のような形のイルミ馬車に乗れば、インスタ映え間違いなし。他の場所では、赤富士をフレームのどこに置くかを考えながら写真を撮ると良い。但し、足元が暗いので、ヘッドランプ等を持参しないと、写真撮影に夢中になり過ぎて池に転落して溺死し兼ねない。

点灯は17日頃まで。点灯時間は17:3022:00

 

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