こんばんは
中村区中村町の中村です
今日の沢田研二論は全くの別の角度からジュリーこと沢田研二を検証してみたいと思います。
(写真反転してたらごめんなさい)
1980年代のLPレコードは2,800円、コンサートは3,000円くらいが相場でした
2000年以降「体験」の価値は上昇し、今やコンサートのチケットのお値段は1万円超えも。ジュリーの場合は良心的にここしばらく8,000円です
でも転売ヤーが横行し良席だと25万円以上で売買されていることも珍しくなくなりました、ホント何とかしてほしいもんです
そこまで価値の上がったLIVE
自分の好きなアーティストのコンサートを存分に楽しむために欠かせない要素はいくつか存在します
まずは健康状態
ジュリーはいつも別れ際に「元気でいてねー」「生きててねー」と何度も言います、ご高齢の方も増えてきた昨今やはり体調は万全で臨みたいものです
続いて席
これは毎回悲喜こもごもがX(以後Twitterと表現します)にあふれていますね、我が街名古屋の愛知県芸術劇場ですと1階5列目までは神席、1階席20列目までは上級国民、後方まではブルジョワジー、2階席は平民、3階席は下級市民、4階席は半地下市民、標高の高い5階席へは酸素ボンベと天体望遠鏡が必須となりますのでもはや人間のたどり着ける場所ではありません、未知の世界への開拓者です
そして、もう一つ、楽しむための要素があるとするならばそれは
周りの観客ではないでしょうか?
僕の身長は171cmなんですがラグビーを続けてたせいで肩幅がやたら強欲なんで後ろが女性ですと迷惑をかけないようにかなり気を使います、せっかくのジュリーのLIVEはみんなで楽しみたいものです、前のおっさんの肩でまったく見れんかった・・などということがあってはいけません、そこで僕はコロナで着座の期間以外はいつも中腰で身体もナナメにしてなるべく後ろの方の迷惑にならないように心がけています。
(そいえば『REALLY LOVE YA!!』だったか?LIVEDVDで最前列中央に190cmくらいはあろうかという男性が存在感抜群で映っているのは残念です、まったく罪はないのですが)
さて、そんなわけで今回は実際にあったファン同士の激しすぎるバトルをご紹介したいと思います
それでははじまりはじまり~
2022年1月、ジュリーの正月LIVEはバンド体制が復活してコロナもほぼ終息、近年にない『LIVEヒット曲』満載でした。まだ声出しは禁止でしたが、個人的にもメンタルがかなり復活して耳も聴こえるようになっていて印象深かったのです
僕は愛知県芸術劇場の安定の平民席(2階)に陣取り、開演を待ちます
左後ろの席にはお友達同士でしょうか?ご婦人の一人はどうやら常連でもう一人はジュリー初体験、名古屋の前に東京も行ってきたというベテランさんが前説に熱心です
一番重要なお隣には僕より少し年下40代後半~50代くらいの女性が座りました、綺麗な身なりで片手に缶コーヒー(ん?缶コーヒー?上手に置かんと転がりますよ)大好きな彼に会う前のような緊張とワクワク感が隣までひしひしと伝わってきます
ジュリーの前ではすべての女性が乙女に還ります
開演5分前の1ベル
後ろのご婦人が「わああああああ、始まるね、あのね、最初の曲はコロナの日本に向けたジュリーのメッセージだからね、『護り給え』って曲、ちょっとゆっくりだけどじっくり聴いてね」
おいおいおいおいおいおいおい!!!!
ご婦人!それはあかんやろ!
こっちは毎回沢田研二700曲の中からセトリ予想して、何曲当たるか楽しみにしてきてる
Twitterお友達のひだまりさんに鍛えられて「ひとりドレミファドン!」(←イントロあてクイズね)も楽しんでる、それをなんてことしてくれんだよ!
ずっと事前ネタバラシ解説付きで観るの?俺?
そして本ベル
(ジュリーのファンで会場にいない方は一斉にTwitterで「ぶーーー」ってやります)
1曲目
「護り給え」アルバム『告白-CONFESSION-』より
あああ、マジかあ、まあいいやここは集中しよう
3曲目
~MC布袋寅泰!キッカケ~からの!いきなり!!!
「そのキスがほしい」
隣の女子は
「そのキスがほしいいいいい」の両手を上げてリズミカルに手拍子のところ
「はあああとで~はげ~しく~だいてえええええいえいえいえ」
の右手のナナメにフリフリ上げるとこ
か・・・・・完璧やないか・・・・
この女やるな
後ろのおばさんが「●●ちゃん!次だよ!次!大好きな曲ストリッパー!」
「ストリッパー」
「春でも~あーきーでも~まふーゆーでも~」
のとこ、右腕肩から肘の角度に気を付けながらの内側→外側→内側のフリ
「おおまえのすべてをおおおみったいいー」のグー
隣の女子はここも完璧な所作
ヤバい、これはこっちも本気出さないと勝てない
ジュリーが握りこぶし作って、カズさんがギャアアアンってギター終わって、ふうっって思ったら、ドラムの「1・2・3・4!」から、1982年当時は「アルプスの少女ハイジ」主題歌でおなじみの伊集加代さんがコーラスを担当したあの特徴的なイントロ
今回はすわさんと山崎さんと、ギターのカズさんとベース市川さんとみんなで
I don't need your love at all love at all love at all
の大合唱!きました!!!6曲目だけに
「6番目のユウウツ」
「6番目のユウウツ」は
まいにちぼくねーむれないやーるーせーないのサビ部分
「HA!HA!HA!」で場内一斉に右手でこぶしを掲げます、この時の注意は肘を支点にするのではなく、顔はやや左下向きに、右手のこぶしの軌道はその反対、右45度を目指して突き上げます
そこまではカンタン難しいのはラストです
レコードではフェードアウトで終わるけどLIVEは最後「heil!」でEXOTICS一同ビシッと決める、ジュリーとファンはその「heil!」に合わせて右手のひらで〇〇〇式のような敬礼・・・
このタイミングが、難しい・・・
「ゆううううう、ううううう、つうううう、だああああよおおおお」の最後の「よ」から数えて実に16小節、2000人の会場では遅れて敬礼するひと続出、遅れまいと8小節や14小節で上げてしまう方もチラホラ
この難関を難なく乗りきらないとLIVE完遂のミッションは果たせないのです
ここだ、隣の女に圧倒的な差をつけるのはここしかない、チャンスだ
僕はおもむろに手帳を取り出し、ここまでのセトリをメモ、「だあああよおおおお」のときにはペンを走らせ、敵を油断させる作戦に出ます
頭の中はしっかりとカウント
4小節、8小節、12小節・・・・だんだん近づいてきます、まだペンをもったまま手帳をみています、15小節・・・緊張感が体を包みますそして
運命の16小節
「heil!」
決まった・・・・完全な右手、角度、タイミングともに完璧なフィニッシュ・・・我ながらこれは美しいこれぞ「6番目のユウウツ」を完遂した達成感
隣の敵はどうだ?
う!!!!
同時やないか・・・まったく完全なタイミング
後ろは?おばはんは?
なんか、いま、ゆっくり堂々と上げとるがね・・・
いや、強いな、この隣の女はホンモノだわ
その後も
「カサブランカダンディ」
「憎みきれないろくでなし」
「恋のバッドチューニング」
俺たちは二人とも非の打ちどころのないフリをこなしていった、敵ながらあっぱれじゃねーか
うしろのBBAはイントロが始まるか始まらないうちに曲の解説を続けている、いらん!あんたの解説はいらん!しかもまあまあ間違っとる!
ザ・ベストテン7週連続1位は「カサブランカダンディ」ではなく「ダーリング」だ
「憎みきれないろくでなし」は勝手にしやがれより前のうたではない
そして、運命の瞬間はおとずれた
「ポラロイドGIRL」
きたあ!ついにきたあああああ!!!!!
70年代の俺は小学生、だからこれまでは同等の勝負だった
80年代後半から90年代に入ると、ジュリーファンの女性の大半は結婚・出産・子育ての時期に入った
いわゆる「中抜け」の時期だ
皆様の子育て本当に頭が下がります、イクメンなどどいう概念も言葉もなかった時代、日本のお母さまたち、ありがとうございます、こっちはのうのうと合コンしてました、ジュリーのコンサートにも女性と行ってました、すみませんでした、役に立たなかった世の中のすべてのダンナに代わってこの場でお詫び申し上げます、ごめんなさい!
とはいえ、だからと言って容赦はしねええよ
AORから王道ロック路線に戻った記念のアルバム、カズさんも戻って村上ポンタ秀一一や吉田建の黄金バンド、そしてシングルカットされたプリプリ奥居香の提供楽曲、ジュリーLIVEでは「彼女はデリケート」「愛までまてない」に並ぶ超絶アゲアゲ曲それが「ポラロイドGIRL」
さすがにこの時期の曲はついてこれないだろ?
お嬢さん、ここまでの健闘は褒めてやろうじゃないか
だが、ここまでだ「お嬢さんお手上げだ」とはいかないようだ、どうやら夏のピエロにもならなくて済んだ、もはや勝利は目前だ、勝ったも同然
俺の気分はヤマトがどれだけ波動砲で頑張っても遠く及ばない白色彗星帝国のズオーダー大帝だ
もう、高笑いがとまらない
さあ、人間よ、弱く悲しい地球人よ「ポラロイドGIRL」が始まるぞ
自分の無力感をたっぷりと味わうがよい
わ~ははっはっはっはっはっは
わ~~~~~はっはっはっはっはは
波乱に満ちた後半へつづく
隣のデキる女性の運命やいかに?
そして後部座席解説BBAその末路は?