今日2月5日はザ・タイガースがデビューして51年なんですね。

SNS時代だからみなさんが当時の写真アップしてて楽しませていただきました。

 

タイガースとジュリーから学ぶことはたくさんありますよ、なぜ世界一を目指せたグループがわずか4年で終わってしまったのか?なぜ沢田研二は毎年LIVEを続けていて客が絶対に減らないのか?

 

今の僕の仕事に非常に参考になる事例が豊富にあります。

 

 

 

 

さて、今日はアイドル運営にはタブー視されている「お金のハナシ」を敢えて書こうと思います。

 

 

中村はカネの亡者だ、あんな奴が運営しているdelaなんてすぐに潰れる!絶対に売れるわけがない!

 

と言われたことがあります。

 

この時点で僕と深い付き合いのある方は笑ってしまうでしょうが、まあ、読んでください。

 

 

2011年の12月に書いた僕のdelaの企画書、最後の16ページ目に記されている「最後の課題」こそがお金のハナシです、これは避けて通れなくなってます。

 

それと最近「文化としてのアイドル論」よりも「経済的側面からのアイドル論」のほうが講演依頼が多くなって、いったん自分でも考え方をまとめてみようと思いまして。

 

 

 

 

 

もう何年か前になるのですが、とある社団法人(JCじゃないです)からお仕事をいただきました。

所謂「営業」で、これはアイドルを運営していくうえでの収益の3本柱のひとつです。

 

 

このパーティーのゲストをご紹介いただいた方が著名な税理士の野村先生で、delaを物心ともに支援いただいていたのですが、悲しい事故でお亡くなりになりました。

 

パーティーは経営者ばかりの集まりですから、当然顔見知りもたくさんいます。当日は過去に一度だけお付き合いのあった広告会社のスタッフの方がアテンドしていただきました。

 

 

仕事はdelaのメンバーが笑顔を振りまいて無事に終了して、さて、ご紹介者がお亡くなりになっているので、念のためその社団法人にご請求先をお尋ねしました。

 

すると、野村先生のお知り合いが「うちに最初の約束どおり請求してくれ」と、その翌日さらに広告会社が「うちに請求するように」と言います。

 

困ったことにこの2社、ご提示いただいた請求金額が倍も違うのです。当日お手伝いいただいた広告会社が半額になっていました。

 

この場合、心情的には野村先生のご紹介先に請求したいのですが、お仕事発注は社団法人です、社会のルールとして「ウチはどちらでも構いませんから法人内で決めてご連絡ください」と両社に返しました。

 

 

しばらくして結局「法人会宛に最初の金額で請求してください」とのことだったのでそのとおりにしました。

 

 

 

ところが後日、その法人会内の僕の知人が驚くべきことを教えてくれました。

 

メンツを潰されたと勘違いした広告会社の代表が・・・

 

「こっちは当日完璧な作業をしたにもかかわらず、あいつは2社を天秤にかけてギャラを高く吊り上げようとした、中村はカネの亡者だ。カネは払ってやるがウチの法人会は出入り禁止だ!そんな奴のdelaはすぐに潰れるから、今後はOS☆Uに発注する!」

 

 

と組織内でぶちまけたらしく、僕に「謝罪に来た方がよい」と助言してくれました。

 

 

僕の回答は当然

 

 

「アホか」

 

 

しかありません。

 

「お前が自分の愚かさを謝りに来い」と伝えておいてくださいと言いました。

こっちから願い下げだ、2度と行くかと

 

 

◆まず1つ目

「法人会内で決めてください」これが弊社としての唯一の正式な回答です

 

 

◆2つめ

典型的な欠席裁判です。結論を出す前に説明する機会をいただければすべての経緯をお話できたはずです。それをしないのは怠慢で、双方のハナシを聞かずに結論を出すのは中高生の「あの子が悪口を言っていたらしい、だからみんなで無視しよう」と同じくらい愚かな判断です。そしてそれがまかり通る組織運営にも問題があります。

 

 

◆3つめ

これは噴き出しそうになりましたが「今後はOS☆Uに発注する」

「あ、そうですか!ありがとうございます!それも僕が作りました!千聖ちゃんやぴーともにギャラが入ってうれしいです!」

と言いそうになりましたが向こうの運営に迷惑がかかるといけないので止めました。

 

 

 

 

後で聞いたのですが、「delaは俺がハナシをすれば半額になる」と吹いていたらしく、後述しますが頼むからそういうのやめてほしいのです。

 

 

 

あれから4年近く経ちましたが、精鋭の経営者が集うその法人会の力を借りずとも、delaはあり得ない多くの企業様からのスポンサードをいただいています、どの企業さまも広告会社さまも無理難題は一切ありません。

 

 

 

この法人会の担当のような考え方(法人会全体の考えではないと信じています)は僕の目指す「芸能文化の地域主権」に逆行する行為です。

 

「前ら名古屋なんだから安くしろ」「知り合いなんだから安くやってくれ」

 

 

2年前の年末にも、こんなことがありました

「5万で宴会にきてくれ、ステージはないから畳の上で裸足で歌をうたってくれ」

delaのメンバーのために丁重にお断りすると

「たくさんの仕事を紹介している、他を断ってもこちらに来るのがスジだろう」

と言われました。

 

 

この言葉には正直胸が痛みました。ご意見には一理あります。

 

 

でもね

 

 

彼女たちはプロなんです。

 

 

 

ダンスレッスン、MCレッスン、ボイトレ、ブログ、Twitterの更新。

普段の生活から、衣服・化粧・健康管理・学業との両立

 

すべてやってきてるんです。知り合いだから、世話になったから、僕が安く仕事をホイホイうけたら、彼女たちの今後の生活は誰が保証するのでしょう?

 

カネの亡者?上等だよ。

 

うちの事務所が食えなかったら誰がやるんですか?だれか他にやれるんですか?

俺がカネの亡者って言われて、彼女たちが夢を持ち続けられるのだったら喜んでそう呼ばれるわ。

 

 

 

delaはね、物販での売り上げは本人たちに一切還元されないんです。

 

もちろん「間接」ではあっても「直接バック」はないんです。

 

これ、日本の2,000あるグループの多くの運営が驚かれると思うのですが本当です。

 

『ひとりチェキ撮ったら幾らかバック』

 

絶対にやらないです。誤解しないでください、間違ってるって言ってるんじゃないんです。

 

ただdelaはやらないです。

 

 

『一人につき幾らかバック』

 

自己判断のできない年齢だと、暴走しかねないですよ、握手よりももっと接触した方が他のグループや同じグループ内のメンバーのファン奪えますよ、だって『ファン=カネ』になるから。

それにもっと「バック」のいい職業に走りますよ、その先はキャバクラか、ガールズバーでしょうね。

 

繰り返しますがその職業がダメって言ってるんじゃないんです。僕の夢は「芸能文化の地域主権」なんです。

 

タレントがしていいのは「握手」と「撮影会」までです。

 

以前、僕が作ったグループが「CDたくさん買ったら店外デート」みたいなの企画して全力で異を唱えて、僕が逆にめっちゃ攻撃されました「クビになったお前が言うな!」とか。でも先頭集団を走ってたグループがそれやっちゃダメなんですよ。地下アイドルに逆戻りです。

 

 

それとなによりね、プロデューサーが仕事しなくなります。

 

 

プロデューサーって人事権振るって威張ることだと勘違いしてるひと、いませんか?

 

メンバーのために徹夜で企画書書いて、有償の仕事取ってきて、そのために頭下げて、頭下げて、頭下げて・・・・

 

 

「中村さんは行政やテレビの仕事取ってくるのはうまいよね~」

 

 

いやいやいや、プロデューサー名乗ってる限り、それ以外にやることってあるんですか?

メンバーのみんなが満足できる仕事取ってきて、尚且つファンの方にも喜んでいただいて。

それを考えて、頑張って仕事取ってくる以外になにやるんですか?

 

 

以前ね、とあるアイドルの運営さんから頼まれました

 

「中村さん!ウチもdelaみたいに企業の仕事をメンバーにさせてあげたい。俺に仕事を取るための営業のやりかたを教えてくれ!」

 

 

正直な方です、メンバーのためをちゃんと考えてます。歌って・チェキ撮ってバックして・歌って・チェキ撮って・歌って・チェキ撮ってバックして・歌って・・・・

 

これではメンバーもファンも続かないことを感じておられました。

 

でもこうお答えするしかないのです。

 

 

「広告会社で7年、出版社(ラジオ局兼任)で4年、血のションベン垂らしながら、ゲロ吐きながら叩き込んだ技術です。そうする以外に営業力と企画力とプレゼンの技術を得る方法はないと思います。申し訳ありません。」

 

今ね、delaのメンバーが東京や長野や北海道や九州や沖縄に各テレビ局にロケにいってるんですよ。

あれはとある大手広告代理店さんと自動車メーカーさんのお仕事なんですが、最大の功労者は実は池永百合なんですよ、あと川崎も。詳しくは書けませんが、彼女たちの礼儀と努力と仕事に対する姿勢は素晴らしいです。

 

 

全ては「けったこぐ」という楽曲がご縁なんですが、お話をいただいたとき即東京に行きましてお会いしました。最近になって「この人がやっているグループのメンバーなら安心して仕事を任せられると思った」と言っていただき、本当に嬉しかったです。

 

 

プロデューサーとアイドル、事務所とタレント

 

これは両輪なんですよ

 

タレントはちょっといい仕事入ると即座に勘違いします。

すべて自分の実力だと勘違いします。

 

必ず勘違いします。なぜ断言できるか?僕もそうだったからです。19歳のころは勘違いします。

 

そこに親とか、ややこしい大人が入ってくるともうめっちゃくちゃになります。そんな事例東京でも地方でもよく聞くでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

 

プロになれる子とね、なれない子はいますよ。

 

僕の力不足も認めなければなりません。

 

 

頑張ったけどプロになれなかった子は、それでもアイドル時代の努力と達成感と経験を将来に生かしてそしいのです。僕はそういうやり方をしています。感謝の気持ちを持てる人間になって人生を歩んでほしいのです。必ずどこかでアイドル時代の経験が役に立つときがきます。そういう設定にしてあります。

 

 

残念なのはプロになれる実力があるのにそれを選択しない子です。

 

今の名古屋の現状だと自分自身の実力を計れないのです。

 

 

だから、僕はそういう悲劇をなくすためにこの1月2月必死に動いています。

 

多くの企業・テレビ局・名古屋の広告会社・東京の本社、などなど、連日企画書を書き、仲間を集め、文字通り精魂尽きるまでプレゼンを連発しました。

 

まずは今年中に年収ベースで400万クラスのタレントを作ること。つまり、少なくとも新大卒でもらえる給料と同等まで上げないとプロって呼べないです。テレビに出てるけど月収5万円ではそりゃ親は納得しません。

 

但し条件は、「芸能活動でのみで得た収入」です。つまり「変な水着とか着ない」こと、「チェキのバックのみで得た収入ではない」こと、です。

 

 

一人作ればそれが目標になります。どう努力して、何を身に着ければプロになれるか?はっきりさせます。

そして今後はそれが目標になっていきます。

 

考えてみてください。

 

こんな程度のことさえ夢物語と笑われた時代を。

 

「東京の事務所じゃないとムリだ」と言われた時代を。

 

もう時代は変わっているのです。名古屋にはプロとしてやっていける子がすでに何人もいるのです。地域主権をご理解していただいている、まだ少数ながら業界の改革者たちによって、仕事もあるのです。

 

本人たちがそれに気づいていないだけ、若しくは事務所がライブとチェキしかやらしていないだけ。

 

 

 

「そのためにはまずは中村さんが年収を3倍くらいにしないと説得力がないよ」

 

 

と、とある有能な社会学者ばりに頭のいい企業人に言われました。

 

まあ、いいんですよ、年収なんて多すぎても幸せとは限らないってことは知ってるし。要は仕事内容とのバランスですよ。これはタレントも社長もサラリ―マンも同じ。

 

 

delaと僕の仕事を受けてくれる子たちが、幸せになってくれて、それを応援するファンの方々が喜んでる顔みれたらこんな満たされた素晴らしい仕事他にないですよ。

 

 

でも

 

 

まだ、足りません。どうか、僕に力を貸してください。

 

彼女たちが、ファンが、名古屋が、笑顔で包まれますように。

 

「知り合いだから安くしろっ」て言わないでください。

 

「知り合いだからもっと出したるわ!」って大見得切ってください。

 

それが名古屋の文化を育てることに繋がります。

 

もう29年も挑戦し続けています。

 

あんまり時間もありません。僕がいなくなっても誰かが「プロデューサー」って堂々と名乗れる環境を名古屋に残して僕は業界を去りたいのです。

 

 

 

今週もまた、大きなプレゼンが続きます。

 

メンバーは

 

池永は沖縄で琉球放送テレビレポーターとラジオ出演、綾瀬はお芝居本番、川崎は仙台モーターショー、テレビ朝日とメ~テレとCBCテレビの放送もあります、東海ラジオ・CBCラジオ・@FMのレギュラー番組の放送も収録もあります。

 

そして海外戦略も本格的に仕掛けていきます、明日もセントレアで打ち合わせ。

 

いつもdelaを応援いただき本当にありがとうございます。

 

 

もう寝ます。

 

 

みなさん、寒いけど仕事頑張ろうね!