積極財政派の人達のいい加減さについて | こぶなの学校 

こぶなの学校 

主に経済についてやっていきます。

積極財政派と呼ばれる人達には、かなりいい加減なところがある。
 
日本の経済はGDPが横ばいになって伸び悩むようになり、
それで「失われた20年」などと言われるようになりました。
 
では、もしも10年前くらいに「お金を使う人が多すぎて生産が追い付かない。」という様な状況を作っていたとしましょう。
これは政府の政策で実現できたことです。
政府は借金を増やすことができる。
そうして集めたお金で、公務員の数を増やすなり、公共事業を増やすなりするなら、給料を貰う人が増えて、お金を使う人も増える。
その規模によっては、デフレからインフレになったりもするでしょう。
 
しかし、かりに10年前の時点で2年間くらいそんな政策をしていたとしても、それは10年前~8年前くらいの景気だけを良くした、という政策になったと考えることができます。
積極財政派と呼ばれる人達であれば別の考え方をするのでしょうけど、少なくともこちらの人達の考えの方が正しいとも言い切れるだけの材料はありません。
 
 
ある時期にデフレを解消するような政策を実施して、
その効果は短期的なものになるのかそれとも長期的なものになるのか?
 
これについては、こんなふうに考えたらいいかもしれない。
 
かりに本屋さんの所得が伸び続けた社会において、本屋さんの所得が伸び悩むようになったとします。
この状況は、政府が図書券でも発行して国民に配れば解消するでしょう。
ただしそれは、
政府が図書券を配ればその後ずっと本屋さんの所得が伸び続ける、
というわけではなく、
図書券を配っている時期だけ本屋さんの所得の伸び悩みが解消する、
という結果となりそうです。
 
 
日本の経済についても同じ様に考えることが出来ます。
政府が借金をして集めたお金を使うなら、色々な産業で働く人達の所得が増えるでしょう。
ただしそれは、
デフレさえ脱却すればその後はずっと大勢の所得が伸び続ける、
というほどのものにはならず、
政府が沢山のお金を使っている時期だけ大勢の所得が増える、
という結果になりそうです。
 
というか、
「デフレさえ脱却すればその後はずっと大勢の所得が伸び続ける、」
とするのでは、
あまりにも楽観的過ぎると言えないでしょうか。
 
 
積極財政派と呼ばれる人達は、過去の政治家を罵ったり、現在の政治家を罵ったりします。
しかし私はこう思うのです。
10年前~8年前くらいの景気だけを良くしなかった政治家や、
今年~2年後くらいの景気だけを良くしようとしない政治家がいるからといって、
それがどうだというのか。
 
 
過去において積極財政派は「デフレを脱却すれば済む理由の話」をしていました。
海外の先進国の経済成長を例に出し、
「このように経済成長はあって当たり前なもので、」
経済成長しない日本がだけがおかしいのだ。
そして経済成長しないのはデフレのせいだ。」

という話をしていました。
 
過去にはされていたこの話は、現在では持ち出しにくい難い話になっています。
日本の経済成長だけがおかしかったのは過去の話で、今では他の先進国の経済成長もおかしいからです。
アメリカにしても、リーマンショックがあってから何年も経つのに、まだ財政赤字を膨らませながら減税、という様な事をせっせとしている。
また、それで強引に好景気にしたところで、それで万事解決とはいきそうにない。
 
経済成長はあって当たり前、
というのがもう変わっているんです。
 
 
いい加減な積極財政派は、それでもまだいい加減な話をするのを止めない。
 
ろくな根拠が出せない中でも「自分が勧める経済政策こそが正しい経済政策だ」と言い張る姿勢などは、精神に異常をきたした人のように見える事さえある。