ジョニー・グリフィンを取り上げるのは初みたい。
けっこう好きな奏者です。
体格の小柄さと裏腹に、力強く豪快なブロウをすることから「リトル・ジャイアント」とあだ名されていた人。
ブルー・ノートに「リトル・ジャイアント」というタイトルのアルバムもあります。
今回はそれではなく、リバーサイドから出した「ケリー・ダンサーズ」です。
僕がジョニー・グリフィンを初めて聴いたのがこのアルバム。
民謡がいくつも入っていて、非常に聴きやすく分かりやすいアルバムです。
ジャケットのダサさは凄まじく、所有するCDの中でワースト1を争うと思います。笑
【Personnel】
ジョニー・グリフィン(Ts)
バリー・ハリス(P)
ロン・カーター(B)
ベン・ライリー(Ds)
①THE KERRY DANCERS
②BLACK IS THE COLOR OF MY TRUE LOVE'S HAIR
③GREEN GROW THE RUSHES
④THE LONDONDERRY AIR
⑤25 1/2 DAZE
⑥OH, NOW I SEE
⑦HUSH-A-BYE
⑧BALLAD FOR MONSIEUR
①THE KERRY DANCERS
アイルランド民謡です。明るく素朴なメロディーが良いですね。ワンホーンらしく、ジョニー・グリフィンが最初から飛ばしていきます。バックでコードを弾くバリー・ハリスの小気味よいタッチが素敵。ロン・カーターがウォーキングベースのソロを取り、続いてバリー・ハリスのピアノソロ。ジョニー・グリフィンのソロに戻ると、「きらきら星」のメロディーをアドリブの中に取り込んでくる。セッションを楽しんでいるのが伝わってくるような演奏。
②BLACK IS THE COLOR OF MY TRUE LOVE'S HAIR
これはアメリカ南部の民謡らしい。①とうって変わって愁いを帯びた曲調の民謡。日本人が好きそうなメロディー。民謡と言われるとしっくりくるのは素朴な感じがするせいか。ゆったりとメロディーを吹いたあと、少しだけテンポアップして軽快に曲が進んでいく。ジョニー・グリフィンのあとにソロを取るのはピアノのバリー・ハリス。ピアノソロは短めでまたグリフィンのソロに戻り、最後は冒頭と同じ感じでゆっくり朗々とメロディーを吹き、“終わった感”を出さずに終了。
④THE LONDONDERRY AIR
「ダニー・ボーイ」の名でも知られるイギリス民謡。正直そんなに好きな演奏ではないが、一番有名な曲だと思ったので一応YouTubeを貼り付けておいた。バリー・ハリスのソロはなかなか良い。この曲に関しては、ムード・テナー奏者の聴かせ方がやはり一枚上手という気がする。
⑦HUSH-A-BYE
「ハッシャバイ」はジョニー・グリフィンの十八番。ここではミディアム・テンポで軽快に進んでいく。ロン・カーターの心地よいベースに乗ってパワフルに吹きまくるグリフィン。とにかく、曲調が魅力的。グリフィンの個性がぴったりマッチして素晴らしく仕上がっている。
レコードでは①~④がA面で、⑤~⑧がB面となっていて、A面はすべてトラディショナル・ソング(民謡)という構成です。
取り上げなかったトラックもすべて名演で、ハズレがない名盤です。
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