自然栽培の大豆を煮る


無肥料でもお米が実るって不思議なことです。
身近な事でわかり易い例はないかなって思い、
今年初めて仕込んだ味噌を考えてみました。

 

茹でてつぶした大豆と塩と、米麹を混ぜた団子。それを瓶の中にギュッと詰めて。
それだけなんです。

瓶の中は空気が入りません。団子をエサに酸素の少ない場所が好きな乳酸菌がたくさん増えて瓶の中の酸度が下がります。
すると今度はそんな環境が好きな酵母菌が増えていき、
アルコール発酵してくれるんですね。
そして1年もの時間を掛けて味噌の深い味ができあがっていく。
麹菌から始まった、目に見えない生き物の長いリレーです。

 


味噌


田んぼを”瓶”に見立ててみます。

水を引く前に、土と風化したワラをエサにしてたくさん増えた微生物。
1反(1000㎡)の田んぼに700kgにもなるとの研究があります。

体の8割は水分なので、140kgが炭素やタンパク質。
水が溜まると、土の中の酸素が少なくなり、
今度はそれを分解して生きるものが増えてきます。


そう、酸素の少ない場所が好きな微生物です。
酵母菌や、乳酸菌、光合成細菌など色々居ます。

 

彼らがタンパク質をアミノ酸に変えてくれます。
”味噌”の美味しさを作ってくれるグルタミン酸ですね。
 

 

アミノ酸は炭素と窒素からできている分子ですから
こうして、風化したワラから始まったリレーで”稲”が利用できる
窒素肥料ができあがることになります。

 

 

実際には自然はもっともっと複雑で多様性に満ちているのでしょうが、
微生物が住みやすい環境にすることがいかに大事なのかが解かります。

 

 


コシヒカリの成長

 

 

でも、本当に驚いたのはここから。
植物の根は、土から水と栄養分を吸収するだけだと思っていましたが、実は根から土の中へ渡している物があるんです。

それがさらに微生物を増やして、稲の成長とお米の味につながることになってくる。
次はそんなことを考えてみます。

 

次回は「稲が土の中へ渡すプレゼント」、こちらをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

◇ 無農薬で育った天日干しのコシヒカリ。とても消化が良くて体にやさしいお米です。お問い合わせはこちらからどうぞ。◇ こぼし農園ホームページへ!