眼科医師の坪田一男氏が書いた「GO OUT」という本の一部を紹介します。

 

 2022年に文部科学省が発表した「児童生徒の近視実態調査」によると、近年近視の児童生徒数は増加が続いているとのことです。

 

 子どもがゲームやスマホを使うようになったことが原因かと思いましたが、そのようなエビデンスはないそうです。近視が増えたのは、子どもたちが外で遊ばなくなったことが原因であると分かりました。

 

 7年前に台湾で、小学生が休み時間に外へ出るというプロジェクトが始まりました。その結果、小学生の近視率は下がったのです。外へ出ることが近視の予防になることが分かったのですが、「どうして外へ出ると近視にならないのか」、多くの研究者が解明に努力を始めました。

 

 A 運動量が増えるから。

 B 近くを見て遠くを見るということを繰り返すから。

 C 屋内と比較して太陽の光の量が多いから。

 D 外には室内にはない波長の光があるから。

 

 AとBは実験の結果否定されました。Cはまだ分かっていません。Dは実証されました。

 

 日中に外へ出るとバイオレットライトという光が、目の中の光受容体を刺激し、近視を予防してくれるのです。また、日光は近視を予防するだけではなく脳も活性化させます。

 

 このバイオレットライトは窓ガラスやメガネ、コンタクトレンズを通過することができないので、メガネやコンタクトレンズを外して屋外へ出ることでより効果が大きいと考えられます。

 

 天気の良い日には外へ出かけましょう。