1 トラブルの原因   

世の中には色々なトラブルがあります。会社内でのトラブル,取引先とのトラブル,お客様とのトラブル,家庭内のトラブルなど,色々なものがあります。

みんなトラブルは避けたいと思っています。トラブルを起こしたいと思ってトラブルになることはまずありません。

多くの場合,言ったことが正確に伝わっていないことが原因となって,トラブルが発生します。

 

2 言い間違い

自分ではこう言ったつもりなのに,別の言葉を言っているということがあります。色々なことを考えながら,話をすると頭が混線して,違うことを言ってしまうことが私にもあります。

 

文書の場合は,書き間違いですね。パソコンの誤変換もよくあります。

私も,メールの最後に「以上です」と書いたつもりが,「異常です」となって送ってしまい,肝を冷やしたことがあります。

 

3 言葉不足

自分の頭の中では,順を追って考えを巡らせて結論に到達しているのですが,最後の結論部分しか言わないため,聞いた相手はよく理解できません。

忙しい人によくあるパターンで,聞いた人はその人なりに「こういうことかな」と想像しますが,忙しそうにしている相手に尋ねるのも気が引けるので,確認せずに行動して,「言ったことと違う!」ということとなります。

 

また,「この前頼んだことは明日までに仕上げておいて」と言うことがよくあります。頼んでいたことはAとBとCがあるのですが,言った人はAのことと思っています。しかし,聞く人がAのことと理解するとは限りませんね。

 

4 聞き間違い

聞く側の人も,今やっている自分の仕事のことを考えていますので,途中で割り込んでくる指示や電話に,即座に頭が切り替えられないことがあります。それまで考えていたことに引きずられますので,正しく聞くことができません。

 

社長が朝礼で全員に対して一つの指示を出しますが,社員の行動は人それぞれとなることがありますね。

同じ言葉でも,人によって聞こえる内容は異なります。同じように,一つの景色でも,見る人によって見え方が違います。

 

私たちは,同じ世界に生きていると思っていますが,実は,一人一人別の世界に生きていると考えた方がよいと思います。

 

5 忘れる

電話で何かを頼まれて,受話器を置いた瞬間に,次の電話が鳴るということがよくあります。そして,後の電話の内容がかなり深刻なものだったりすると,先の電話のことが頭から消えてしまいます。

忘れないようにメモをとるようにしていますが,メモを書いたときには十分理解できる単語が,後で読み返すと,何のことか分からない場合もあります。(私の反省です)

 

6 息子との会話

私の息子が小学校の低学年の頃のことです。数字を英語でどう言うのかを教えていました。

「1はワン,2はツーで,3はスリーや,・・・7はセブン,8はエイトで,9はナインや,10はテン」と教えたところ,息子は「お父さん,それはおかしい」と言ってきました。

私は間違って言ったつもりはありませんので,「どうしておかしい?」と聞くと,息子は「9がナインやろ」と聞いてきました。

私は「そうや。何かおかしいか」と聞いたところ,息子は「それは絶対に変や。8まであるのに,9がなかったら数えられない」と言いました。

私が「9はナインや」と言ったのを,息子は「9は無いんや」と聞いていたのです。

コミュニケーションとは難しいものです。

 

トラブルを少なくするために,できるだけ丁寧なコミュニケーションを心がけたいと思います。

コツは,「丁寧すぎるくらいが丁度よい」ということです。