1 プロセス依存
ゲーム依存症は,ギャンブル依存症と同じプロセス依存です。
日本のゲーム人口は約3000万人と言われており,このうち2割が依存症だとすると600万人となります。
ゲームはギャンブルと違って儲かることはありません。
しかし,快感回路を活性化させるように設計されている点では,パチンコなどと同じです。
2 スーパーマリオブラザーズ
スーパーマリオブラザーズ の最初の画面は誰でも1回か2回の挑戦でクリアできます。
旗が揚がり,小さな賞賛が与えられ,達成感を得ますが,このときに快感回路が刺激されるのです。
画面が進むにつれて難しくなり,クリアするには努力と時間が必要になりますが,その分,得られる達成感も大きくなります。
同じ難易度が続くと耐性によりドーパミン分泌量が減るため,難度を上げることによって,ドーパミン放出量の減少を防いでいるのです。
「どうすれば脳の快感回路を活性化させられるか」 ということがゲーム開発のテーマであり,「薬物を使わない麻薬」とも言われています。
3 ネットゲーム
最近はネットゲームが流行しています。ネットゲームは,プロセス依存と人間関係依存が合体したものです。
韓国では,人口の4%がネットゲームに登録しているそうです。同じ割合だと仮定すると,日本では500万人となります。
長時間やるほど,そのキャラクターは強くなり,武器,アイテムが充実します。ゲームをしながらスカイプなどで話をすることができます。
素晴らしいテクニックには,多くの賞賛の声がかけられます。
機械からほめられるよりも生の人間からほめられる方がドーパミンは多く放出されるため,完全にはまってしまうのです。
4 自分の居場所
会社では,いつも上司に叱られてばかりいる人が,ネットゲームの世界では英雄になれます。
これこそ本当の自分の姿であると実感し,ネットゲームの世界こそが自分の居場所であると感ずるのです。
5 夜10時から
大概,夜の10時頃からゲームが始まるそうです。
チームで行いますので,途中で自分だけ抜けることはできません。
深夜2時,3時まで続くことが普通です。
寝不足で,学校や会社で居眠りばかりすることとなってしまいます。
ネットゲームに熱中しすぎて過労死した人とか,長時間同じ姿勢でいるためにエコノミー症候群になってしまった人もあります。
6 ネットゲームの規制
韓国では,ネットゲームに対する規制が行われるようになりました。ある時刻になると切断されるそうです。
しかし,今のところ,日本で規制の動きはありません。
子どもの成長に与える影響も大きいため,何らかの法的な規制が必要であると思います。