遺産分割では、実質的に公平に分けるのを旨とするので、不動産は「現実的に売ったらいくらか」の時価で評価するのが原則です。
そして、先に事例のように不動産を兄が取得するときには、実際にそれを売ってみることはできないので、厳密には不動産鑑定士による鑑定によって不動産を評価します。
これを知っている人は、調停の始まる前に任意に不動産鑑定士に依頼していることがあるのですが、これは無駄になるおそれがあります。
兄も弟も、事前に不動産鑑定をしていて、その評価が異なったら?
結局は、裁判所が別の不動産鑑定士に依頼して、再鑑定しないとならなくなります。
こうなると、兄と弟がそれぞれ独自に行った不動産鑑定は、いずれも採用されず、無駄になってしまうのです。
不動産鑑定を行うか迷ったら、まず弁護士に相談してからにしてください。
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