怒涛の展開で
記憶が前後しているかも
しれないが

お産に入ります
と言われて
ついに分娩!
と意を決してから
20分程で
赤ちゃんは出てきた

ギリギリまで
粘ったもんな。
もう限界もう限界
と心の中で
何度も叫んで
手が勝手にナースコールに伸びた。

20分で分娩って…

赤ちゃんが早く出たがってたのか
出たくても頭が大きくてつっかえてたのか
赤ちゃんに聞いてみたとて
分からない。
でも切ってもらってよかった
切ったら楽になった。

あの時
我慢しないで
もっと早くナースコール
押していれば
状況はまた変わったのかな

いきみ方を
練習していれば
ちゃんと産んであげれたのかな

ていうか
いきみ逃しができてなかったのか?
ちゃんと勉強しとけばよかった

ああしとけばこうしとけば
たら、れば
なんて過ぎたことには
もう遅い。

今更
独り推測したところで
なにも
変わらない。

それから
何分程だっただろう
ずっとM字開脚のままだったので
脚がガクガク
震えていた

再び看護師さんが来て
胎盤を取り出すために
また
お腹をグイグイ押された
(しまった、痛くて胎盤見るの忘れてた)

先生が会陰切開したところを
えげつない針で
縫ってくださり
(初見には怖い)

それから
可愛い看護師さんが
血液がついた身体を
綺麗に拭いてくださった

とっても優しかった。

後処置は
いたれりつくせり
だった。

わたしは
ただ横になっていればよかった

さっきまでの
押し迫る痛みの波が
嘘みたいに
消えていた

優しさにつつまれていたら
おしっこの所に管通す?とかで
ピッとされ
その痛みで
ハッと目が覚めた。

「痛かったね〜
   ごめんなさいね〜(^^)」

「大丈夫です
    一瞬でしたから。」

これから
晩ご飯が来るみたいで
また来るとのことだったので
それまでは
横になっているようにと。

産んだら
元気になったつもりでいたが
動いたらいけないのか。
どれくらいかかるんだろう。
赤ちゃんの様子は?

いろいろ考えてしまったが
とりあえず本能でご飯を食べた。
お腹空いてたんだな。

赤ちゃんがいたら
違ったんだろうな
みんながいて
ワイワイして
写真も撮って
笑顔で食べて
美味しかったんだろうな
いやこれも美味しいけれど

お昼ご飯は
陣痛で食べれたもんじゃなかったが
晩ご飯は食べることができた。
種類の多いお料理だった
力を入れてるのが分かった。

ここのご飯は美味しいと
噂通りの美味しさだった。

お膳をさげていただいて
わたしは
ほどよい疲れで
トクトクとし
知らず知らずのうちに
全身ゆっくりと
ベッドに沈んでいった。