言われてみると、私はいつからジャンプを読み始めたのかが思い出せないんですよね。

初めのうちは仲の良い友達に毎週見せてもらっていたけど。
「やっぱり自分の家で読みたい!」とか思って買い始めたはずなんですけど。


はて・・・!?


それがいつ頃のことだったのか・・・!?


キン肉マンはまだ連載していたのか?
ドラゴンボールはどの辺だったのか?
キャプテン翼は西ドイツと戦っていたのでは?

色々と思い出してはみるものの、やはりハッキリしません。
なので明確に「ここから読み始めた!」と言えないのは少し寂しい気もするのですが。

そんな中、胸を張って「これだけは覚えている!」と言えることが一つあります。

それは・・・


こち亀を読まずに飛ばしていたこと!!!


これだけはもうハッキリと覚えてます。
「これはいいや」と、毎週こち亀のページをパラパラと先送りしていたことを。

本当に全く読んだことなかったですね。
ジャンプを読み始めた当初は。

一応『やたら長いタイトルのマンガがある』という認識はありましたが、それだけ。
特に大きなキッカケも理由も無く、なんとなく飛ばしていたのです。


そんなある日。
行きつけの古本屋さんに行った際、ふと目をやった本棚が全て『こち亀』だったんですね。

「あのマンガ、こんなに出てるの!?」

もう本当にびっくりしました。
今でこそ当たり前になってますが、当時は単行本50巻以上とか珍しかったですからね。

で、さすがに興味を持つわけです。
「56巻なんて聞いたことないよ。一体どんなマンガなんだ?」って。

そしてその『こちら葛飾区亀有公園前派出所 第56巻』を手に取ってみたわけです。


はい!ここ!!

ここで人生変わった!!


ボクは「こち亀と出会っていなければ、今の人生は送れていなかった」と断言できますので。
この手に取った瞬間が『今のルート』への入り口だったわけなんですね。


・・・まあ、このルートが両手を上げて喜べるものなのかは分かりませんけど。


・・・人によっては「それ負けルートじゃね?」とか思われそうですけど。


でも実際こうして現在のボクが楽しそうにしてるんだから。
それはもう正解でいいんじゃないですか??(謎のキレ)

他のルートだって、どうせ大したこと無いですし。
所詮オレだもん(卑屈)


って、そんなことはどうでもよくて。

そのこち亀56巻の表紙が。
『駄菓子屋で店番をしている両さん』だったわけなんですね。
そのデザインが本当に本当に本っっっっっ当に素晴らしくて、一目惚れ。

そして気がついたら購入してました。
200円。

生まれて初めてのジャケ買いです。
後にエロビデオで幾度となく失敗を繰り返すことになるジャケ買いですが、この時は大正解。

すっっっげえ面白い!!!

そして読み終わった瞬間に決意を固めます。


「おれ、こち亀全巻集めるわ」


超ド級庶民の慢性金欠ボーイが何を大それたこと言ってんだって話ですが、そこからは早かったです。

その古本屋さんには100円〜200円の価格帯でこち亀が大量にありましたので、まずはそこを攻めました。攻めまくりました。

月のお小遣いをつぎ込むのはもちろん、両親にビッグモーター並みの営業を仕掛けて"アルバイト"を斡旋してもらいました。

特に父親マッサージ系の仕事は割りが良く、毎日のように父親の背中やふくらはぎに乗っかってその場でフミフミしてました(30分500円)

もはや皿洗いなんてやってられません(1食分で100円)

なので恐らく古本屋のお姉さんには「毎日こち亀をランダムで買い漁っていくこの子は何者なんだろう?」「闇バイトに手を出してるんじゃないの?」「売った私も逮捕されたりしないよね?」なんて風に思われていたかと。それはそれは不安だったはず。

そしてついに、その古本屋さんのこち亀在庫を全て買い尽くしたのです。

やったーーー。

とは言いながらも。
もちろん「これで全巻揃った!」なんて簡単な話ではなく。
ここからが本番なのでありました。

後編につづく