こんにちは、手芸家・ニットクリエイターの阿部裕子です。
工房は機械の香りが漂っています。
機械油の匂いというか…好きな匂いです。
匂いのもとはこの機械。
家庭用編み機です。
古い編み機で調子が悪かったのですが、この度悪い部品を交換して動くようになったのです。
シルバーリード様には大変お世話になりました。
試しにキャリジ(持ち手が付いてる部分)を左右に動かしてみると…
こんな感じに平編みができました。
細いモヘアです。
いきなりモヘア?
細編み機なので、この糸しか見つからなくて。
一応これでも助講師まで資格を取りましたので、勘が戻るのはめちゃめちゃ早いです。
初めて編み機に触った時は編み機に遊ばれて遊ばれて、編み地になりませんでしたから。
簡単そうに見えますが、何でもコツがあるのですよ。
ただ左右に動かしているわけではないのです。
それに比べたら一発でこう編めるのは経験があるからなんですよね。
習っていて良かったと思います。
電子編み機で平編みだけでなくいろいろな模様が編めますし、模様も自在にデザインできます。
手編みでは何日もかかる作品が、1日もあればできてしまう。
複雑な模様もあっという間。
魔法の機械だよなぁと思います。
編み機は私がこの世界に入る原点のもの。
母が私を妊娠中に自転車に編み機を載せて?くくり付けて?教室へ通っていたそうで。
その編み機を私が中学ぐらいの時に物置から見つけ、「さびてるから編めない」と言われてるのに、自分の部屋へ持って行ってキャリジを動かして遊んでいました。
説明書を見ながらやってみたけれど糸が外れてしまって編めない…
何日も格闘したけれどできなくて、そのうち諦めてしまったけれど、大人になって編み機に触れるようになり、なんで編めなかったのかがその時初めて分かったんです。
部品の劣化でも編めなくなる・・・。
諦めた時、「大人になったら絶対に編み機で編めるようになる!」って決めて、有言実行したわたし。
編み機を習った事がご縁で、編み物の仕事へと運命が動き出したのでした。
講師までの資格は正直いらないと思って助講師止まりですが、一応ウエディングドレスまで編めたし資格はもういい。
それよりも編みたい。
編みたい物を自在に編める勘が戻るまで編み続けたいと思います。
ある方から「編み機があるから目標の仕事に集中できない。捨てなさい」と言われた事があります。
でも、どうしても2台だけは処分できませんでした(以前は5台あった)
あの時捨てなくて良かったなぁと思っています。
(捨てなさいと言われた意味も分かるのですが)
編み機は原点だからね。
見る度に初心に戻ります。
そのうち、編み機のワークショップをやります。
家庭用の編み機に興味がある方、1~2時間程度でマフラーが編めるように準備をしますので、しばらくお待ち下さい。
自分にプレッシャーをかけています。
「布糸遊(ふしゆう)工房こころいろ」では、日本全国から手芸に関するご相談をお受けしています。取引実績1,000件以上。