以前、株式投資に簿記2級は役立つのか?実際に取得してみた。という記事を書いたのでそれの続きの話をする。

 

日商簿記2級とTOEICはどちらも就職活動において有利になる人気の資格で、比較対象になることも多い。
一方で、資格が一体どれだけ有利なのかと考えたことはあるだろうか。
実際にどれだけ就職しやすいかのリサーチは簡単ではないが、人口比で計算するだけならば簡単なので以下のように計算を行った。

 


1.日本の大学卒業者は年間約60万人である。

2.簿記2級の取得者数は年度によって大きく異なるが、これまでの合格者を年間4万人とすると大学卒業者数に対しての割合は6.6%である。
*中高卒の取得者については考慮していない。
*2018年より簿記2級の試験は難化している。参考までに2022年の合格者数は約1万人である。

3.TOEIC 800点はスコア取得者の上位12%である。


 

単純計算に過ぎないがこれらを統合すると、両方の資格を持つ人の割合は大学卒業者の0.8%、なんと1000人のうち8人しかいないのである。年間の大学卒業者数で例えるなら、600,000人中でTOEIC800点を持つ人材は72,000人いるが、かつ簿記2級を持っているのはたったの4,800人ということになる。
ちなみに、上位資格である簿記1級を持っている人の割合は0.4%、またTOEIC900点以上の割合は4%なので、それらに全く見劣りしていない。

 

労働市場においては、このように”できることの掛け合わせ”が有利に働くことが多い。片方だけの資格に比べると人材としての希少性が段違いになる。簿記と英語が頻繁に話題となるのは他の資格に比べ汎用性に優れるためである。ただし、自分の専門と関わりのある範囲の資格を取得しなければ徒労に終わってしまうため注意が必要だ。