夕食から戻ったのは22時半すぎ


女性と一緒に戻ってきた夫の目の前に私が現れた。


マスクもしてハットも被り変装していたこともあり

初めは気がついてなかった夫でしたが、

私が彼の目を見た瞬間に彼の頭の中も真っ白に。


もちろん女性も

何が起きてるかわけがわからない様子。


そこで女性に「〇〇の嫁です」と名乗る。

夫は動揺していて「何で来た?」「誰と来た?」と質問だらけ。


私はとにかく話しがしたいから

あなた達の部屋へ行こうと促す。


もちろんなかなか入れたがらずでしたが、

この状況でも隠すこともないでしょ

と言って諦めたようで部屋へ向かった。



部屋の中は

ハッピーバースデーの風船や飾り付け。

私は色々な想定をしていましたが、

まさかこの部屋は想定外すぎて

悲しい笑いが込み上げてきました。


その頃には私からすでに

「こんなこと私はされたことないですよ」

「うらやましいです」

「誕生日なんですか?すみません」


なんて偽善者すぎて反吐が出るほどの言葉が出ていました。

今思い返してもそんなセリフだけは後悔。

私は馬鹿にもほどがある。


感情が高ぶりすぎていたこと。

直前まで対面するべきか悩んでいたこと。

色々な要因の中で、私は怒りよりも悲しみに押しつぶされそうになっていました。


ふざけるなの一言なんて全く出なかった。