※ 文系専門だからって舐められないようにしなきゃ!!!みたいなよろしくないコンプレックスを爆発させた結果、恐ろしく長くなってしまいました。
もしもよろしければ最後までお読みいただけると嬉しいです……。
簡潔に→公式の暗記に頼らず、状況のイメージから解答を導き出し、さらに「要するに同じ(互いに変換可能)」なものを積極的に見つけていく姿勢の養成。
理科と数学は中学生までしか指導しておりません。
ただし、私は理数科目の指導をするにあたって、予備校や学校などで理科を指導している友人(農学・教育学博士課程修了)の力を借りています。これにより、理数科目でも、大学受験まで通じる根本的なものの見方・考え方の養成を実現しています。
また、私は中学生まで、国語よりも英語よりも社会よりも、理科が得意かつ好きでした。なぜ文系への道を邁進してしまったのか、というストーリーをこの場で述べたいのは山々なのですが、私の人生なんてものはどうでもいいことですから、タイトル通り理科について述べてまいりますのでご安心ください。
さて、私が理科学習において「公式の暗記に頼らず」と言っているのは、なにも公式の暗記など表層的な学びだからだ、もっと本質的な学びをするべきだ、というわけではありません。
公式の暗記をするからと言って、それらは全部表層的な学びだ、なんていうわけでもないと思いますから。
ただ、少なくとも理科の、特に「計算問題」で困っている人が「公式の暗記」に頼ろうとするのは、多くの場合においてむしろ悪手、逆効果ではないかと思うのです。
シンプルに、公式って覚えにくくないでしょうか?
英単語や社会の用語を覚えるのも、もちろんそれなりに大変です。が、それでも公式よりは覚えやすいと思います。
理科の公式を今ここで5個、それぞれ3秒以内に、即座に言えるでしょうか?英単語や社会の用語なら何かしらスムーズに出ると思いますが、公式でそれができますか…?
勉強において「覚える」というのは、それなりに負荷がかかる面も多いものです。
だからこそ、かける必要のない負荷をかけなくて済むなら、それに越したことはないでしょう。
(余談ですが、勉強は面白く楽しんでこそだ、だの、逆に辛く苦しい思いをしてこそだ、だのといった二項対立的な意見がしばしば散見されますが、私としては、勉強なんていうのは人生の一部なので、人生と同じく面白くて楽しいこともあれば辛くて苦しいこともあるのが当たり前だと思っています)
そして、公式をバラバラに覚えるのも非効率です。例えば、人口密度を求める公式と、物質の密度を求める公式。
これらは、それぞれ
人口密度を求める公式⇒ 「人数÷面積」
物質の密度を求める公式⇒「質量÷体積」
ですね。
ではここで例題を出してみます。ただし、上の公式は使いません。使いませんが、結局同じ結果になります。

さて、これらの問題を読んで、全く何も、カケラも状況がイメージできない……などということはありますか?
A町と言われて、町っぽい何かすらも思い浮かばない、ということはありますか?
体積5立方センチメートルの物質と言われて、本当に何も、全くモノが思い浮かばない、ということはありますか?
おそらく、そうではないと思います。
何かしらは、ぼんやりとでもイメージできるのではないでしょうか。
ならば、そのイメージをかいてみましょう。

結局これは「ある“領域”に対して(その中に)その人数なり質量なりの“中身”がいる・あるということ」です。
ですからこのイメージは、例えば、そのまま分数として表すことができます(私の言う「“中身”/“領域”)。そういうわけで、分数に変換しているのです。
分数ひとつが出れば、あとはカンタンです。
分数は割り算と「要するに同じ」です。なぜなら、互いに変換可能だからです。
したがって、分子÷分母という形で割り算に変換すれば「中身÷領域」。
すなわち「人数÷面積」&「質量÷面積」となります。
ここでいう中身⇒人数・質量
ここでいう領域⇒面積・体積
ですからね。

俗に「人口密度を求める公式」と呼ばれるものは 「人数÷面積」で、「物質の密度を求める公式」と呼ばれるものは「質量÷体積」でしたね。
同じです。
というわけで、公式など全く意識していませんでしたが、公式と同じ形に落ち着きました。
言い換えてみるならば、状況のイメージから理屈で話を進めさえすれば、わざわざ覚えなくても公式を使えるのです。
では、あとは計算して答えを出すだけです。


人口密度のほうは、計算すると、217.333…となり割り切れません。
ですが、あとは「整数で求めなさい」と言われているのだから、これはつまり「小数第一位を四捨五入しなさい」ということで、答えは217です(答えの書き方は小学校算数でスタンダードと思われる「人」単位としました)。
物質の密度のほうは割り切れますから、そのまま答えを書けますね。
ダメ押しとして、出た答えがイメージに合致しているか……までチェックできるとよいでしょう(今回の記事では割愛します)。
ほら、人口密度だろうが物質の密度だろうが、結局公式と同じ理屈に落ち着くではないですか!
要するに「同じ」なんです。面積なのか体積なのか、人間なのか質量なのか、という違いにすぎません。そして、それらはイメージをそのまま数や式に表すことで演算できます。
もちろん、これは密度に限った話ではありません。密度というのは、要するに「単位面積(1立方センチメートルなど)あたりの質量」のことです。これが「速さ」であれば「単位時間(1時間など)あたりの移動量」となります。
そう考えれば、密度も速さも要するに同じです。
だから、理科の計算問題はほとんどどれも、比や割合の考え方で処理できるのです。
これさえできれば、「人口密度を求める公式を忘れてしまったからわからない」「物質の密度を求める公式を忘れてしまったから分からない」……他にも「割合を求める公式(くもわ)」を忘れてしまったから分からない、だとか「質量パーセント濃度を求める公式」を忘れてしまったから分からない、などということは原理的に起こり得ません。
「分からない」とすれば、それは
① まず状況がイメージできない(その問題文を読んでも何がどういう状況なのか本当にまったく想像できない)。
② 状況はイメージできるが、それをどう数や式に表せばいいのか分からない。
③ 計算をしてみたが奇妙な答えが出る(または答えが出せない)。
ほぼこの3パターンです。
そして、この3パターンにあたる「分からない」は、適切なトレーニングで克服できます。
したがって、少なくとも「公式が分からないから分からない」というのはおかしな話なのです。
理科の計算問題が分からないことを「公式が分からない」せいだと思ってはいけません。
分かっていないのは、もっと根本的な要素です。それに、そういうことが分からないままやみくもに公式を覚えようとしても、なおさら覚えられるはずがありません。
だから、まず考えるべきは「まずどうしたらよいか」「どう解いたらいいか」などではなく「どういう状況か」なのです。「まずどうしたらよいか」という話ならば、イメージに起こして状況を整理したらよいのです。「どう解いたらいいか」などというのは、どう解いてもよいのです。
問題の論点と四則演算の仕組みさえ守って話を進めていれば、答えというのはその「結果」として勝手に出てきます。
変に「正しい解き方」に固執するから、むしろ解けないし、「解き方を・公式を覚えるしかない」なんていうことになってしまうのです。
ですから、今回のやり方もほんの一例にすぎません。
別に解き方を覚えてもいいんですけど、忘れたら終わりですよね。
そして「解き方」「公式」を忘れたから、知らないから、覚えてないから解けない、計算問題は無理だ……などと、「要するに小学校算数の問題と同じ」ような問題を諦める。
端的に言って、あまりにも勿体無いし、コスパが悪くはないでしょうか?
覚えるべきは「方法」よりも「要領」です。「方法」は覚えようとしなければ覚えられない。そのくせ、容易く忘れます。
しかし「要領」は一度身につけば嫌でも覚えてしまう上、そう簡単には忘れません。
とはいえ、それでも「公式を覚えたほうが早い」と思う方だっていらっしゃると思いますし、そういった意見を一概に否定はしません。
しかし私はやはり、いわば「わざわざ公式を覚えていなくても公式を使える」に等しい、上記のようなイメージ作りの力を鍛えるという学習を、基本的に推奨しています。
わざわざ覚えないと公式を使えない、そんな状態を放置するほうが非合理的であり非効率的だと考えるためです。
授業では、そのような見方・考え方を指導しています。
お読みいただきありがとうございました!
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