ご覧いただきありがとうございます。

学習塾ゼファー、代表の高橋です。


今回は少し毛色の違う記事を投稿してみようかと思います。ご笑覧いただけましたら大変有り難く思います。




……が、本題に入る前に注意事項です⚠️







話を展開する都合上、これからの季節において特に問題となる、あの悪名高い「G」こと黒いアイツ(=ゴ○ブリですね…)を話に登場させます

写真や画像を載せることはありませんが、以降は婉曲表現や伏せ字もせず、その名前を直接表記します。

ご気分が悪くなる方もいらっしゃると思います。苦手な方には、ここでブラウザバックを推奨いたします。

ご不快な思いをさせ、誠に申し訳ございません。








では始めていきます。

まずは結論から述べます。


「AIを使うにあたっては、こちら(我々人間)が正確かつ妥当な前提条件を提示し、かつAIが出力した情報の正誤を判断して修正を求めるなど、適切な誘導をしてやる必要がある」


要するに、AIが出してくる情報の正確性や論理性は、あくまで我々人間がそれらの妥当性を判断し、うまく誘導してやらねばならないということです。


人様に勉強を教えるという営みを生業にしている私がこれを主張するのはある種のポジショントークであり、そういう意味では言いづらい面もありますが……、やはりAIを上手く使う際に必要なのは、相応の知識および論理的思考力であると言えるでしょう。そして「勉強」が、それらを鍛えるきっかけになることは当然否めない。本当にポジショントークですし、言いづらいですが……。




まず、AIはいわゆる「コンピュータ」的なイメージもあり、情報の正確性に関しては強そうかもしれません。


しかし私の見解はむしろです。


AIは「いかにも人間が満足しそうな“それっぽい”情報を出力する」ことには長けている。

しかし、細部の情報となると、意外なほどに弱いのです。


ちょっとマニアックな内容になると、途端にその弱点が露呈します(この「マニアック」として最も分かりやすいと思ったのがゴキブリに関する話であるため、今回採用しました)。

「勉強の仕方」などを質問しても、細部にはかなりの粗が見えます。


具体例を挙げつつ述べていきます。ここでは、最新かつ超高性能と名高い「ChatGPT 4o」およびX(旧Twitter)の専用AIである「Grok 3」を使ってみます。


こちらをご覧ください。

なお、見やすさを優先して一部編集を加えていますが、内容はもちろん全くいじっておりません。








学名というのは、生物の分類群に対して世界共通で付けられる名称です。


例えばイエネコ(普通に猫のことだと思ってください)なら、日本では「ネコ」、英語圏では「cat」と呼ばれるのが一般的です。

ですが、これら「ネコ」「cat」は当然特定の地域で使われる呼び名ですから、全世界共通というわけではありません。


それに対して、イエネコの学名である「Felis silvestris catus」は(少なくとも生物学等において)全世界共通の呼び名として扱われている名前です。学名というのはこういうものです。


こういった学名については、中1理科の教科書にも載っていると思います。ぜひ、お読みになってみてください。


さて、この「世界共通」というのがキモです。ある限られた地域でのみ扱われているような情報ならば、AIが分からないのも無理はありません。

しかし、このような世界共通の情報であっても、AIは我々が思っているほど分かっていないのです。


以下に、今回論点となるゴキブリの学名を列挙します。


コワモンゴキブリ → Periplaneta australasiae


ワモンゴキブリ → Periplaneta americana


トビイロゴキブリ → Periplaneta brunnea


チャバネゴキブリ → Blattella germanica


平気な方にはぜひ検索のうえ、私が提示した情報の正確性をチェックしてみてほしいのですが、当然ゴキブリの写真が出てきますのでお気をつけください。


また、ワモンゴキブリは特にですが、写真で見る程度ならまぁ平気かな……という方が検索するのをあまりオススメしません。虫が平気な私ですら「おっと…」と思うほどドアップの写真が出てきます(ぶっちゃけ私から見ても結構キモッッッ!ってなる……)。


さて、画像における私の返信にもありますが、ChatGPT 4oはコワモンゴキブリとトビイロゴキブリの学名表記を取り違えていますね。




とはいえ、ワモンゴキブリの学名は合っていますし、なんなら「逆」で済んでいるぶんだけマシといったところでしょうか(この時私は、計8種のゴキブリを挙げて、それぞれに対応した学名を列挙するよう要求しました)。



ところが……





Grok 3はもはやメチャクチャですね(笑)

ここでトビイロゴキブリ扱いされているPeriplaneta americanaはワモンゴキブリですし、コワモンゴキブリと言われているBlattella germanicaはチャバネゴキブリです。


こういうのは指摘して、修正を促さなければなりません。

当然、使う側にその判断ができなければ、指摘をしてやることもできず、情報にズレが生じたまま話が進んでいきます

すると、その後の出力もどんどんズレていきます。傷口が広がってはいけません。


さて、その次に、ChatGPT 4oはこのような提案をしてきました(ここからはChatGPT 4oに集中して例を挙げていきます)。





……いや、私が食べたいわけじゃないですよ!?このとき、両生類・爬虫類の餌としてゴキブリはどうなのか、という話になっていたんです。


両生類・爬虫類を飼育している方などは、デュビアやレッドローチと言えばピンとくるのではないでしょうか。


その二種以外にも有用なゴキブリはいないのか、私はこの辺りの種が有用だと考える、という文脈だったんです。

私が食べたがっているからこんな提案をされたわけじゃないです!本当に!






本当です。そういうフリじゃなくてマジで






……さて、本題に戻ります。

両生類・爬虫類の餌として主に使われる昆虫は、ヨーロッパイエコオロギ、フタホシコオロギ、ミルワーム、そして先ほど挙げたレッドローチ(トルキスタンゴキブリ)、デュビア(アルゼンチンモリゴキブリ)等でしょう。


これらは餌昆虫として非常にメジャーなものですが、それでも、栄養成分については分からないことのほうが多い状態です(これは、それらの餌昆虫の栄養成分について勉強した経験があれば判断できます)。


にもかかわらず、私が挙げたようなゴキブリは、餌昆虫として現状マイナーなわけです。ChatGPT 4oがこれらマイナーなゴキブリの栄養成分分析に関する提案をしてきたとき、私は即座に思いました。




分かるわけないだろ!!!(笑)




とはいえ、出力してもらいました。






そして(画像は一度分ですが、実際は何回か)突っつきました









こちらからのツッコミを重ねて、ようやく「エビデンス付きのものだけに再構成することも可能です」と提案してきたわけですね。


そこまでは、ちょっと嫌な言い方になりますが「推定」に過ぎなかった。もっと嫌な言い方をすれば、ここまで突っ込まれて初めてそれが「推定」であることを白状し、根拠ある情報を論点にしようとし始めたわけです。「必要であれば」って、少なくともこの話題において根拠は必要に決まってると思うのですが(笑)


どうでしょうか?

生成AI、それも最新鋭のものが出力するような情報なら、エビデンス付きであることは前提だ、と思いがちです。


ところが、実情はこれです。

なんなら「信頼度の高い範囲内で合成された推定値」というのも怪しいところでしょう。

「関連する情報を統合した結果、最も“それっぽい”もの、つまり“妥当性が高い”というよりも“妥当である可能性も否めないといえば否めない”情報」と言ったほうが正解に近いのではないでしょうか。

推定値は推定値なんでしょうけど、これを「推定値」と自称するのもこれまた随分と大げさだなぁ……と思ってしまうのも否めません。


中3数学の用語を引き合いに出すならば、近似値ですらないですね。そもそも測定してないんだから近似値の条件は満たしません。誤差どころの騒ぎではない。


そして細部の弱さを直接指摘すると、このような返答が出力されました。




学校のレポート課題を生成AIによって出力したら、先生にバレた……という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。大学の先生ともなればこういったものを瞬時に見抜きますし、高校までの先生であっても、力ある方にはすぐバレます。


その理由のまず一つ目が、おそらくこれです。ある一定以上の知見がある人間には、細部の誤情報が手に取るように分かります。

そして、他にも生成AIでレポートを出力している人はいるでしょうから、そのほぼ全員が同じパターンの間違え方をしているわけです。バレないわけがない。知識が無いと、このような事態に陥ります。


では、細かい知識が必要とされないような内容であればバレないのか?というと、そうではありません。


論理的思考力が弱いままでは、AIの論展開を適切に誘導してやることができません。

例えば、オリジナリティのある多数の論点を提示し、それらを自分で統合し、一つの形に持っていく……といったようなことができないままでは、結局やはり安易に生成AIを使った人たちのレポート内容は似たり寄ったりの論展開となります。生成AIで作ったレポートが、実力ある先生に通用しない理由の二つ目と言えるでしょう。


もちろん、私のようにAIに対して延々とゴキブリの話をする人はあまりいないでしょう。それに、学名表記がそれぞれなんなのか、という話それ自体は瑣末な問題です。


大切なのは、AIによるこういう不確かな「それっぽさ」はどこに潜んでいるか分からないということです。そういう「罠」が潜んでいるのはゴキブリの話だけだ、などということはあり得ないでしょう。


それを認識し、修正できるだけの知識や論理的思考力、さらには精神的な自律性といった実力を、我々人間自身が持つこと。

AIが頼りになる世の中だからこそ、そのような力を鍛えることが肝要なのではないでしょうか。


そして、そのような力を持った上でAIを使うからこそ、最新鋭の技術を武器にできるようになっていくのではないでしょうか。

AIを使う力とは、AIに「面倒な」思考を委ねて目先の「ラク」をし、それを以て「自分はAIを賢く使っているのだ」などと自分に言い聞かせることではなく、実力向上の機会に立ち向かうことで自分の確固たる思考や内面世界を構築し、あくまでその補佐としてAIを使うことです。


AIは優れたツールですが、意思決定はできません。意思決定をするのは、あくまで我々人間が持つ、人間の頭脳、人間の精神である。私はそう思っています。


お読みいただき、ありがとうございました!




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